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春にたまりやすいストレス、太陽が不安解消の手助けに!?

2020/03/11 12:33 ウェザーニュース

3〜4月の木の芽どきはこころとからだのバランスを崩しやすい時期と言われます。寒暖差などの気候の変化に加えて、春は私たちの生活でも多くの変化が起こりやすく、ストレスを抱えてしまう人は少なくないのです。

さらにこの春は「新型コロナウイルス」による様々なストレスが重なり、不潔恐怖症やうつ病などのこころの病が増加するのではないかと見られています。

「春」はうつ病を発症しやすい!?

暖かくなり気候的に過ごしやすくはなってくるものの、春はストレスを抱えてしまう人も多く、それが原因となってうつ病を発症する人がいるようです。

「春は異動や転勤、引越し、新入学などによる生活の変化が多い時期です。また、気温や気圧も変わりやすく、気づかぬうちに体に負担がかかっています。さらに、花粉症に悩まされる人も多いでしょう。こうした変化がストレスとなり、この時期にうつ病を発症する人が多くいるのです」と語るのは、横浜相原病院(横浜市瀬谷区)の吉田勝明院長(精神科医)です。

不潔恐怖症を助長する感染予防

ただでさえ、ストレスが多い時期なのに、「新型コロナウイルス」の問題が不安やストレスを増幅させていると吉田先生は言います。

「新型コロナウイルスの感染予防に手洗いが励行されています。エスカレーターのベルト、ドアノブなどに触れると接触感染するおそれがあるからです。それで1日に何回も手洗いをする人がいますが、不潔恐怖症を助長することが危惧されます」(吉田先生)

不潔恐怖症は、頻繁な手洗いだけでなく、電車の吊り手をつかめない、外出先でトイレの便座に座れない、誰かがつくったサンドイッチやおにぎりが食べられない、それを家族にも強要するなど、日常生活にも支障をきたします。一種の神経症で、どんなに徹底しても不安がぬぐえません。

テレワークや休校で引きこもり増加?

「通勤中の感染や職場での集団感染を予防するためにテレワークを行う会社が少なくありません。小中高校では大半の学校が休校しています。どちらも感染のリスクを減らしますが、一方でも引きこもりを増やすおそれがあります。同僚や同級生と顔を合わせない期間が長くなると、長い夏休み明けのように平常に戻っても引きこもりで出社や登校ができない人が増加する可能性があります」(吉田院長)

引きこもりは、若年層(15〜39歳)」で54万人、中高年層(40〜64歳)で61万人と推計されています。それがさらに増加するおそれがあるというのです。

「幸せホルモン」を増やして不安を軽減

「新型コロナウイルスはわからないことが多く、そして人はわからないと不安を募らせます。必要以上に不安を抱えると、思考能力が限界を超えて、うつ病的な症状をきたすことがあります」(吉田院長)

吉田院長の病院にも感染予防の相談が多く寄せられていると言います。

「不安を抱えている人は、かかりつけ医など信頼できる主治医に相談して、不安を解消していただければと思います。また、自分一人で抱え込まないで、ちょっとしたことでも身近な人にどんどん打ち明けて話してください」(吉田先生)

さらに、太陽の光を浴びることも効果的だと言います。

「朝の空気のきれいな時間帯に積極的にベランダなどで太陽を浴びてください。太陽光を浴びると脳内物質のセロトニンの合成が盛んになります。別名『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンが増えれば不安解消にもつながります。

今のような“非常事態”がいつまで続くかわかりませんが、いずれ平常に戻ります。それまでの辛抱と思って頑張っていただきたいと思います」(吉田院長)

過度に不安やストレスを感じている人は、少しでも軽減できるよう、ここで紹介した方法を試してみてください。