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東日本大震災から9年 当時のコメントから読み取る心境の変化

2020/03/11 10:54 ウェザーニュース

未曾有の被害をもたらした東日本大震災から9年を機に、当時届いたウェザーリポートを振り返りました。

発生直後は当時の過酷な状況や人々の不安な想いをつづったコメントが多く届きましたが、時間が経つにつれて徐々にみんなで協力し、励ましあい、復旧・復興に向けて前向きな言葉が増えていきました。

3月11日(震災当日)
混乱した様子が浮き彫りに

今回は「ワードクラウド」という手法を用いて分析を行いました。「ワードクラウド」とは、文章中の出現頻度に応じて、大きさや色、向きに変化をつけることで図示する手法です。

震災当日は「地震」や「余震」「津波」など、の現象に関する言葉や、「被害」「停電」「建物」といった被害に関する言葉、そして、「皆さん」「心配」「お見舞い」など安否を気遣う言葉が目立ちます。

<当時のコメント>
「今も地震が続き大変混乱してます。家の中はめちゃくちゃです。火災、倒壊、停電、携帯電話も繋がりません。(宮城県仙台市泉区)」

混乱している様子が伺えます。

3月12日(震災2日目)
避難の実態が見え始める

震災2日目は「地震」「余震」「揺れ」に加え、この頃から「スーパー」や「食料」など、避難の実態に関する言葉が出てきました。

<当時のコメント>
「仙台港の近くなので火災の煙りが雲のようになっていて住んでる所から100メートルぐらいの所まで津波が来てました。改めて実感したのが食べ物や飲み物がないので朝からコンビニやスーパーには長蛇の列でした。(中略)まだまだライフラインは復旧してませんが被災された皆さん頑張って生き抜きましょう!(宮城県仙台市宮城野区)」

避難生活や物資の不足などの声が多く届き始める中、前向きなコメントも現地から届きました。

3月18日(震災7日目)
計画停電への不安高まる

震災から1週間が経過すると、被災地への安否が気遣われる中、「計画停電」という言葉が目立つようになりました。

<当時のコメント>
「今日は6時20分から計画停電の予定。(中略)今我が家にできること、とりあえず精一杯節電して、この悪夢のような災害から早く日本が立ち直れるよう日本人の一人として恥ずかしくない行動をしたいと思います。(千葉県千葉市緑区)」

余震や避難生活へ不安だけでなく、首都圏では「計画停電」への不安も高まった時期でした。

6月11日(震災から3か月)
空を見上げて少しずつ前向きに

震災から3ヶ月、梅雨の時期に入ると、少しずつ「綺麗」や「夕焼け」など明るく前向きな言葉が増えてきました。

<当時のコメント>
「薄雲に隠されてぼんやりとした夕日になりました。3ヶ月はあっという間だったけど まだ心と頭ン中は整理がついてません。空を見上げる事で不安な気持ちをリセットする毎日が続いています。でも「がんばっぺ」を合言葉に、前に進むしかないですよね。(福島県いわき市)」

2020年3月11日
福島の空に虹がかかる

震災から9年を迎える今日、福島県から虹の便りが届きました。見上げる空も私たちの気持ちや想いを後押ししてくれているようです。

未曾有の巨大災害を受け止め、余震や避難生活による混乱や不安が続く中でも、復旧・復興に向けて少しずつ前を向いている様子がウェザーリポートから伺うことができました。

私たちはお互い、支えあい、助け合い、困難なことに対しても前を向いてきました。新型コロナウイルスに対する不安が続く昨今ですが、みんなで協力し合い、人の力になることによって、不安な気持ちが解消され、良い道が拓かれていくのではないでしょうか。

>>東日本大震災から9年 特設サイト

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
ともさん
仙台市宮城野区からのリポート
あるぷすさん
LIFEさん
ウサピョンさん