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肝臓に負担がかかる春先は山菜でデトックス

2020/03/04 07:15 ウェザーニュース

もうすぐ二十四節気の啓蟄(けいちつ)です。暖かくなるにつれて、人の体も春に向けた準備が必要になります。具体的には、気温が上昇しはじめると、肝臓の高ぶりや、ほてり、のぼせなどが生じますが、それらをしずめる必要があるといいます。

「そのためには、山菜を摂ってデトックスするのが効果的です」と国際中医薬膳師で源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生はいいます。

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春はデトックスの時期

春の養生の基本は「古きを退け、新しきを養う」とされています。

「冬は寒さに負けないようにエネルギーを内に溜め込みましたが、春先は新しいものを取り込む素地作りの時期。身体は日差しや温かさを感じて、皮膚が緩んで発汗しやすくなり、代謝も上がり、不要なものを排出し始めます。この排出を担っているのが肝臓なので、肝臓に負担がかかりやすくなります。そのため、肝臓をフォローしてあげれば代謝が促進され、体内の毒素が排出され、体調が良好になるのです」(瀬戸先生)

春先にオススメの食材は!?

瀬戸先生が特にオススメするデトックス食材があります。

「春の山菜には苦味があるものが少なくありませんが、この苦味は山菜の解毒作用がある証拠。ところで、東洋医学ではそれぞれの臓器を色で表し、その色の食材を摂ればその臓器が良くなると言われています。肝臓の色は緑なので、緑色の食材で解毒作用を促したり、余分な熱(炎症)をとったりして、体の不調を整える効果があります。具体的には次のような食材を摂ると良いでしょう」(瀬戸先生)

【せり】
薬膳では「清熱利湿(せいねつりしつ)」、体にこもった余分な熱をとり、利尿を促し、水分代謝をよくする効能があるとされます。春の七草の1つですが、もともと七草は旧正月を迎え、立春を迎えてから食べるものなので、この時期に摂るのがむしろ正統です。なずななどと並び高い解毒作用を持ちます。

【菜の花】
菜の花はアブラナ科の黄色い花の総称で、「解毒(げどく)、消腫(しょうしゅ)、通便(つうべん)」があるとされます。ニキビなどの腫れ物を解毒し、お通じを良くし、血流を促す作用もあります。

【ふきのとう】
独特の苦味に春を感じる山菜の1つです。食べると「健胃化痰、涼血解毒」と言い、余分な湿気や熱、毒を取り除く作用があります。

【わらび】
「清熱利湿、涼血利尿」、つまり余分な熱をとり、利尿作用がある食材です。江戸時代の『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』でも体の水分を整えるとされます。そのデトックス効果が高いので、「陽気を洩らし、降って昇らぬので、多食してはいけない」とされています。わらび餅の原料になるほか、煮物やてんぷらなどでも食べられますが、しっかりアクをとるようにしましょう。

日頃、脂っこい食事やアルコールをとり、睡眠不足が続き、肝臓に負担をかける生活をしている人は、この時期に解毒作用のある山菜をとって、肝臓をいたわってあげてください。

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