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絶対湿度と相対湿度の違いとは

2020/02/28 20:47 ウェザーニュース

気温が低く、空気が乾燥しやすいこの季節は、気象条件においてもインフルエンザが流行しやすい時期と言えます。

宮城県医師会によると、感染症の1つでもあるインフルエンザのウイルスは、目安として絶対湿度11g/㎥以下になると流行しやすくなり、さらに7g/㎥以下になるとさらに流行が起こりやすくなるとされています。

では、この「絶対湿度」とは何なのでしょうか。

よく耳にするのは「相対湿度」

まず、一般的に天気予報などで聞かれる湿度50%は、相対湿度と呼ばれる数字です。
空気中には気温ごとに水蒸気を含むことが出来る量の限界(飽和水蒸気量)が決まっていて、その限界までのうち何%含んでいるかを示しています。

つまり、相対湿度は空気中に含まれる【水蒸気の割合】を表しています。

気温30℃と15℃の場合では、同じ相対湿度でも水蒸気量が変化することになります。

水蒸気が何g含まれるかを示す「絶対湿度」

一方、「絶対湿度」とは、縦横高さ1メートルの空間に含まれる水蒸気の重さが何グラムかを示しています。
つまり、絶対湿度は空気中に含まれる【水蒸気の自体の量】を表しています。

仮に今日の気温が30℃相対湿度50%だとすると、絶対湿度は15.2g/㎥となります。
もし、相対湿度は50%のままでも気温が15℃に下がると、空気中に含まれる水蒸気の量、絶対湿度は6.4g/㎥にまで下がります。

宮城県医師会のデータと照らし合わせると、湿度50%でも気温30℃の場合は指数は"流行しにくい"ですが、気温15℃に下がると指数は"より流行が起こりやすい"に変化します。

(参考)絶対湿度とインフルエンザの関係
宮城県医師会より
〜7g/㎥  :より起こりやすい
7〜11g/㎥:流行しやすい
11〜g/㎥ :流行しにくい
インフルエンザウイルスの場合は、相対湿度だけではなく、空気中に何グラムの水蒸気があるかを示す絶対湿度の変化が感染リスクの重要なポイントであるということになります。

ウェザーニュースでは、新型コロナウイルスで注目されている都市・エリアの気象データ(気温・湿度)を公開しています。
猛威を振るう新型コロナウイルスに関して、まだ分からないことが多いなか、気象データそのものを公開し、閲覧・ダウンロードしていただくことで、研究・考察にご活用いただければと考えております。

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