霧、もや、霞の違い
冒頭で紹介した霞は、主に春に使用される言葉です。春以外の季節では、霧やもやと呼ばれるようになります。「じゃあ…霧、もや、霞って全部同じなの?」現象としては同じですが、実際は以下のように定義付けされています。
【霧】
微小な浮遊水滴により、視程が1km未満の状態(気象庁より)
【もや】
微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km未満となっている状態(気象庁より)
【霞】
空気中に浮かんでいる様々な細かい粒子のため、遠くがはっきり見えない現象。また、霧や煙が薄い帯のように見える現象。(デジタル大辞泉(小学館)より)
霧ともやは気象用語として使用されていますが、霞に関しては異なり、天気予報などで使われることはないようです。
【霧】
微小な浮遊水滴により、視程が1km未満の状態(気象庁より)
【もや】
微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km未満となっている状態(気象庁より)
【霞】
空気中に浮かんでいる様々な細かい粒子のため、遠くがはっきり見えない現象。また、霧や煙が薄い帯のように見える現象。(デジタル大辞泉(小学館)より)
霧ともやは気象用語として使用されていますが、霞に関しては異なり、天気予報などで使われることはないようです。
春霞で空の色も…
上の写真は、4月と10月の空の写真です。どちらも16日の16時頃のものですが、随分色が違いますね。10月の方は、濃い青で、奥行きさえも感じます。一方、4月の方は白っぽい青でボンヤリしています。ではなぜこんなにも違いが出るのでしょうか。
晴れをもたらす高気圧は、実は季節によって出身地が異なります。春と秋はともに大陸育ちで、空気中に含んでいる水蒸気が少なく、乾燥しています。
しかし、春の大陸は雪や氷が溶け、植物があまり生えていません。そのため土やホコリが舞いやすく、空気中に塵や水滴が増えます。
空気中に粒子の大きい塵や水滴があると、太陽光は様々な色(波長)の光が合わさった状態のまま散乱します。そのため、空は白っぽく見えてしまうのです。
では秋はというと、空気中には塵や水滴がほとんどありません。あるのは小さい粒子の酸素分子と窒素分子。この分子たちは太陽光の持つ7色の光の中の青や紫など波長が短い光を強く散乱します。そのため、青々と見えるのです。
晴れをもたらす高気圧は、実は季節によって出身地が異なります。春と秋はともに大陸育ちで、空気中に含んでいる水蒸気が少なく、乾燥しています。
しかし、春の大陸は雪や氷が溶け、植物があまり生えていません。そのため土やホコリが舞いやすく、空気中に塵や水滴が増えます。
空気中に粒子の大きい塵や水滴があると、太陽光は様々な色(波長)の光が合わさった状態のまま散乱します。そのため、空は白っぽく見えてしまうのです。
では秋はというと、空気中には塵や水滴がほとんどありません。あるのは小さい粒子の酸素分子と窒素分子。この分子たちは太陽光の持つ7色の光の中の青や紫など波長が短い光を強く散乱します。そのため、青々と見えるのです。
霞がたなびく姿
霧やもやが「かかる、たちこめる」と言うのに対し、霞は「たなびく」という言葉と使われることが多いです。たなびくとは、霞や雲が横に長く引くような形で漂うこと。
なかなか普段の会話では使わないので、どんな様子を現しているのか、少しわかりにくいですよね。
ではちょっと視点を変えて、こんなものから霞のたなびく様子を想像してみるのはいかがでしょうか。
★丹霞郷(たんかきょう)
長野県に位置する丹霞郷は、桃の花が有名な場所です。
上の写真を見ると、桃の花がズラッと並んでいます。この景色が、まるで丹い(あかい)霞がたなびいているように見えたことから「丹霞郷」になったと言われています。
★霞文(かすみもん)
直線を何本も引いて霞がたなびく様子を表した「霞文」というものがあります。
着物や千代紙にもよく使われているため「あ、この柄見たことある!」という方も多いのではないでしょうか。
霞がハッキリとした形を持っているわけではありませんが、別の形で表現されているものを見るとわかりやすいかもしれません。
どこか柔らかな印象を与えてくれる春霞の景色は、また違う魅力を持ち合わせていますので、ぜひ楽しんでみてください。
なかなか普段の会話では使わないので、どんな様子を現しているのか、少しわかりにくいですよね。
ではちょっと視点を変えて、こんなものから霞のたなびく様子を想像してみるのはいかがでしょうか。
★丹霞郷(たんかきょう)
長野県に位置する丹霞郷は、桃の花が有名な場所です。
上の写真を見ると、桃の花がズラッと並んでいます。この景色が、まるで丹い(あかい)霞がたなびいているように見えたことから「丹霞郷」になったと言われています。
★霞文(かすみもん)
直線を何本も引いて霞がたなびく様子を表した「霞文」というものがあります。
着物や千代紙にもよく使われているため「あ、この柄見たことある!」という方も多いのではないでしょうか。
霞がハッキリとした形を持っているわけではありませんが、別の形で表現されているものを見るとわかりやすいかもしれません。
どこか柔らかな印象を与えてくれる春霞の景色は、また違う魅力を持ち合わせていますので、ぜひ楽しんでみてください。
おさらい七十二候
1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。
そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。
次回は、雨水の末候「草木萠動(そうもくめばえいずる)」についてご紹介します。
〔リンク〕この先の天候 長期見解
〔リンク〕ウェザーニュース記事一覧
そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。
次回は、雨水の末候「草木萠動(そうもくめばえいずる)」についてご紹介します。
〔リンク〕この先の天候 長期見解
〔リンク〕ウェザーニュース記事一覧
参考資料など
気象庁HP「霧や視程に関する用語」
暦生活「雨水」
https://www.543life.com/season-usui.html
違いがわかる事典「「霧(きり)」と「靄(もや)」と「霞(かすみ)」の違い」
https://www.i-nekko.jp/hibinotayori/2016-022300.html
きもの用語大全「霞文とは」
https://guide.travel.co.jp/article/911/
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kori.html
goo国語辞書「霞の意味」https://dictionary.goo.ne.jp/jn/41169/meaning/m0u/
【参考・参照元】暦生活「雨水」
https://www.543life.com/season-usui.html
違いがわかる事典「「霧(きり)」と「靄(もや)」と「霞(かすみ)」の違い」
https://chigai-allguide.com/%E9%9C%A7%E3%81%A8%E9%9D%84%E3%81%A8%E9%9C%9E/
和ごよみと暮らしによりそう工芸品 暮らしのほとり舎「七十二候・第五候 「霞始靆 (かすみはじめてたなびく)」https://kurashi-no-hotorisya.juno.weblife.me/wlwp1/2016/03/01/%E4%B8%83%E5%8D%81%E4%BA%8C%E5%80%99%E3%83%BB%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%80%99%E3%80%8C%E9%9C%9E%E5%A7%8B%E9%9D%86%E3%80%8D2016/
日々是活き生き 暮らし歳時記「七十二候「霞始靆」は春霞たなびく頃。梅の花も見ごろに。」https://www.i-nekko.jp/hibinotayori/2016-022300.html
きもの用語大全「霞文とは」
https://www.so-bien.com/kimono/%E6%96%87%E6%A7%98%E3%83%BB%E6%9F%84/%E9%9C%9E%E6%96%87.html
Travel.co.jp「一面に桃の花咲く桃源郷 丹霞郷(たんかきょう)と周辺の花の見どころへ」https://guide.travel.co.jp/article/911/