facebook line twitter mail

「ガサガサかかと」への効果的な対策を知っていますか?

2020/02/13 06:57 ウェザーニュース

冬のかかとは「ガサガサ」。

あまりにも例年のことで忘れてる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生によると、効果的なかかとケアがあるそうなんです。

約6割の人がかかとの乾燥で悩んでいる!

ウェザーニュースが行った調査(回答数:9,846人)では、なんと約6割の人がかかとの乾燥に悩んでいるという結果になりました。

「62%の人があると答えた“ガサガサ”も問題ですが、“パックリ”はさらに乾燥が進行して肌にひび割れが入っている状態で、より深刻ですね。

この時季のかかとの状態は、乾燥の影響を強く受けます。男女別では、女性で悩んでいる人が多いのは、ストッキングやタイツを着用したり、冷えにより血行が悪くなっている人が多いためと考えられます」(野村先生)

ガサガサのワケにはかかとの特性も

身体を覆う皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造でできています。表皮はさらに4層構造になっており、基底層で生まれた表皮細胞が約1ヵ月かけて1番外側まで押し上げられ角質層となり、古い角質層は約2週間で剥がれ落ちます。これが肌のターンオーバー(角質層の新陳代謝)です。健康な肌では角質層が皮脂膜に覆われており、肌の乾燥を防いでいます。
「足裏は、皮脂腺(毛)がなく汗腺が多いため、もともと乾燥しやすいのです。さらに、冬は寒さで血行が悪くなり、摩擦や圧迫を受けやすくなるため、ターンオーバーが乱れて古い角質が溜まりやすいのです。かかとのガサガサ、ひび割れにつながります」(野村先生)

気づかぬうちに、かかとを乾燥させる生活になっていることもあります。
「裸足で床暖房の上で過ごしたり、ファンヒーターに当たることで足を乾燥させてしまう人もいます。化学繊維製のタイツやモコモコした靴下やスリッパも、足を乾燥させます」(野村先生)

洗いすぎない&保湿、角質ケア

かかとをつるつるにするためには、状態に合わせたケアが大切です。

「かかとが粉を吹いたり、カサカサしたり、皮がめくれ上がっているときは、乾燥状態です。ゴシゴシ洗いはやめて、乳液やクリームなどの保湿剤を使います。外出前やお風呂上がりなど、人差し指の先から第1関節まで伸ばしたくらいの量を足の裏全体に塗るといいでしょう。マッサージしたり、塗った後に綿などの靴下をはくと、より効果的です」(野村先生)

かかとの皮膚がかたくなっている場合はどうでしょうか?

「古い角質層が溜まった角化の状態です。ターンオーバーが滞る悪循環になり、タコやウオノメ、臭いなど引き起こす原因となるので、軽石ややすりで余分な角質を除去する角質ケアも必要です。ただし、削りすぎると刺激となって、かえってその後に角質が厚くなるおそれがあるので、2週間に1度程度にしましょう。

かたくなり始めた場合は、尿素配合のクリームを使えば、徐々に柔らかくなります。ひび割れや冷えが強い場合は,ビタミンE配合のクリームをたっぷり使用します。軽いかさつき程度でしたら、保湿系の乳液やクリームで早めのケアをしましょう」(野村先生)

病院に行くタイミングは?

「かかとの荒れは、ひどくなると靴をはくのが辛くなったり、ヒビが割れて出血することもあります。また、乾燥による荒れではなく、かゆみがなくカサカサするタイプの水虫など、他に原因のあるケースもあります」(野村先生)

対策を続けても改善しないときは、早めに皮膚科を受診しましょう。