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雪崩の特徴と雪崩のリスクから逃れるには

2022/01/05 10:43 ウェザーニュース

近年では、一般の方が雪山登山や雪山をスキーやスノーボードで滑る、バックカントリーによる遭難事故や雪崩に巻き込まれる事故が多く発生しています。

このような事故を防ぐためにも雪崩との危険性について理解しておく必要があります。

雪崩は大きく2パターン

大雪の後に警戒「表層雪崩」

表層雪崩(新雪雪崩)は、古い積雪の上に新たに雪が降り積もった時に、この新雪部分が滑り落ちる現象です。

雪崩のほとんどが表層雪崩だといわれ、とくに真冬の大雪が降った時に警戒が必要です。

春先に増える「全層雪崩」

全層雪崩は、積雪と地面との間にザラメ状のもろい雪の層が出来たり、雪解け水が流れることなどによって、雪の層全体が滑り落ちる現象です。

暖かくなった春先に起こりやすいのが特徴です。

新幹線並みのスピード

私たちが歩く速さは時速5km程度ですが、雪崩の速さは全層雪崩で時速40~80km、表層雪崩ではなんと時速100~200kmといわれ、この速さは特急列車や新幹線並といえます。

雪崩に遭遇してしまったら、滑走中であっても麓へ逃げ切るのは不可能です。

雪崩の前兆を知る

雪崩が発生する前には、以下のような前兆現象があるといわれます。

 ・雪面に亀裂がある
 ・雪面にシワがある
 ・斜面を雪玉がころころ落ちてくる

ただ、このような雪面を見つけてしまってからでは逃げ遅れる可能性があります。

万が一、雪崩に巻き込まれそうになったら

雪崩は斜面の低い方を目指して滑り落ちます。巻き込まれそうになったら、斜面に対して横に逃げるほうが賢明といえます。

もし巻き込まれてしまったら、小規模なものであれば助かる可能性もあります。まずは雪崩の動きが止まる前に顔のまわりに空間を作るように手で覆うことで、生還の確率が上がるといわれます。

大声で助けを呼ぶとともに呼吸の確保を

もし巻き込まれて雪に埋まってしまったら、まずは場所を見つけてもらうことが第一になります。雪崩に巻き込まれてしまったら、大声を出して助けを呼びましょう。

その際、雪崩の動きが止まる前に、顔のまわりに空間を作るように手で覆い呼吸を確保することも、生還の確立を引き上げてくれます。

雪崩リスクの理解を

スキー場管理区域外を滑走するバックカントリーを行う際には、以下のような確認を必ず行い、立ち入り禁止区域等には進入しないようにしてください。

 ・雪崩の発生しやすい気象状況でないか
 ・メンバーの技量把握や地形把握は十分か
 ・いざというときの装備は十分か
 ・登山届等を提出したか

スキー場周辺以外でも、地域によっては雪崩に対するハザードマップが作成されている場合もあります。山あいの地域に立ち寄る際は、事前にリスクを把握しておくことが大切です。
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参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
あきちゃんさん