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無病息災を願う「鏡開き」 包丁など刃物は使わない

2020/01/11 05:33 ウェザーニュース

1月11日は鏡開きの日というところが多いかと思います。今では本物のお餅で作られた鏡餅も少なくなり、鏡開きの風習を知らない方も増えているかもしれません。

年神様の力をいただくために

鏡開きとは、お正月の間、飾っておいた鏡餅を下げて、お雑煮やおしるこにして食べる行事です。鏡餅には年神様の魂が宿っているので、食べてその力を授かり、1年の無病息災を願います。

鏡餅を食べるのは松の内(年神様が各家々にいらっしゃる期間)が過ぎた後。多くの地域では松の内が7日までとなっており、11日に鏡開きを行います。

家光の月命日を避けた結果

そもそもなんで11日…?なんて疑問が湧いてきますが、昔は全国的に松の内は15日までで、鏡開きは20日に行われていました。

しかし、徳川幕府3代将軍の家光が4月20日に亡くなったことを受け、月命日である20日は避けるようになって、代わりに11日に鏡開きを行うことになり、それに伴って松の内の期間も今のように7日までに変更になったといわれます。

ただ、江戸幕府から離れていた近畿では、この風習は広まらず、松の内は15日のまま。鏡開きも15日や20日に行われているようです。

刃物はNG!

そんな鏡開きには一つルールがあります。それは、刃物を使って切り分けてはいけないということ。先に説明した通り、鏡餅には神様の魂が宿っています。そのため、刃物を使うことは縁起が悪いとされているのです。

乾燥したお餅は硬くてなかなか大変ですが、手や木槌で開くのが昔から良いといわれています。

鏡餅は開いて食べるからこそ意味があるもの。ぜひ家族みんなで食べて今年1年の無病息災を願ってみてはいかがでしょうか。

参考資料など

【参照・参考元】
日本鏡餅組合