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週刊地震情報 年末特別版 2019年は国内で震度6弱以上が3回

2019/12/30 17:47 ウェザーニュース

2019年に国内で観測された震度1以上の地震は1559回で、4年ぶりに2000回を下回りました。そのうち、震度6弱以上の地震は3回発生しています。(12月29日までの集計)

月別の地震の回数を見ていくと、1月から6月の上半期が多くなりました。3回の震度6弱以上の地震は、いずれも上半期の発生です。

1月3日 熊本県熊本地方 M5.1 震度6弱

年明け早々の3日(木)18時10分頃、熊本県熊本地方を震源とする最大震度6弱の地震が発生しました。震源の深さは約10km、地震の規模を示すマグニチュードは5.1と推定されます。この地震で、熊本県和水町で震度6弱、熊本市北区、玉東町で震度5弱を観測しました。

2016年に発生した一連の熊本地震の活動域からは少し北に離れており、政府の地震調査委員会は「今回の地震の震源域は、九州地方中部において東西に延びる別府―島原地溝帯周辺にあたり、九州地方北部と南部を引き伸ばす張力が働くことで発生したものである。」としています。

マグニチュードが5.1とそれほど大きくなかったこともあり、余震活動は熊本地震のように活発ではなく、震度3以上を観測したものはありません。

2月21日 胆振地方中東部 M5.8 震度6弱

2月21日(木)21時22分頃、北海道胆振地方中東部を震源とするM5.8の地震が発生。厚真町で震度6弱を観測したのをはじめ、道央・道南エリアの広いエリアで強い揺れに見舞われました。

震源の位置は2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震(M6.7)の震源域内。メカニズムも東西方向に圧力軸をもつタイプで、一連の地震活動と考えられます。

9月6日に発生した北海道胆振東部地震は発生後の地震回数はそれほど多くありませんが、時々大きめの地震が起きています。M5以上の地震は9月6日に2回発生したあと、1か月空いて10月5日に発生(M5.2、最大震度5弱)。さらに4か月の間隔を置いての強い余震でした。

ただ、この地震以降、マグニチュード5以上の余震は発生していません。

6月18日 山形県沖 M6.7 震度6強

6月18日(火)22時22分頃、山形県沖を震源とするM6.7と推定される地震が発生しました。この地震で新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱、長岡市や酒田市などで震度5弱を観測しています。

今年発生した地震の中では、規模を示すマグニチュード、実際の揺れを示す震度ともに最大のものです。

新潟県内で震度6強を観測するのは、2007年「新潟県中越沖地震」以来のこととなります。山形県内で震度6以上の揺れを観測するのは気象庁の詳しい統計が残る1922年以降、初めてです。

この地震のメカニズムは、西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、日本海沿岸部で発生する地震に共通するパターンでした。

2019年の世界最大はM8.0 アルバニアの地震で被害大

世界のM7.0以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析による2019年のマグニチュード7以上の地震は10回発生しています。

規模が最大だったのは、5月26日(日)にペルーで発生したマグニチュード8.0の地震です。震源が100km以上と深かったものの、震央の近くでは震度5弱から5強に相当する揺れがあったと見られ、2人の死者や多数の負傷者が確認されています。

また、今年の人的被害が最も大きかったのは11月26日(火)にアルバニアで発生したマグニチュード6.4の地震です。こちらはペルーの地震と違い、深さが20kmほどと浅く、震央付近は激しい揺れに見舞われました。アルバニア国内を震源とするマグニチュード6以上の地震は52年ぶりということもあって、建物の倒壊が相次ぎ、50人を超える方が亡くなっています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。