発生数は平年上回る29個、夏以降に急増
2019年の台風の発生数は6月までの上半期にはわずかに3個、うち2つは1月と2月で、春まで続いたエルニーニョ現象の影響もあって、3~6月中旬にかけては発生がゼロ、6月下旬にようやく3号が発生しました。
一方、夏以降はダイポールモード現象の影響でインド洋からのモンスーンの流れ込みが強化、フィリピン近海の対流が活発になって、発生数が増加しました。
北西太平洋の海面水温が高いことが加わり、11月は過去最多となる6個の台風が発生しました。年間総数は昨年と同じ29個で平年よりは多くなっています。
一方、夏以降はダイポールモード現象の影響でインド洋からのモンスーンの流れ込みが強化、フィリピン近海の対流が活発になって、発生数が増加しました。
北西太平洋の海面水温が高いことが加わり、11月は過去最多となる6個の台風が発生しました。年間総数は昨年と同じ29個で平年よりは多くなっています。
上陸数は平年を上回る5個
日本に上陸したのは6号、8号、10号、15号、19号の5個で、平年の上陸数2.7個を上回りました。台風が1年で5個上陸したのは、2004年の10個、2016年、1993年、1990年の6個に続く5位タイとなります。
台風10号は豊後水道を通過し、8月15日に広島県呉市付近に上陸、お盆休みを直撃しました。広島県への上陸は1990年14号以来、3回目です。山陽新幹線が事前運休を実施するなど、Uターンラッシュに大きな影響を及ぼしています。
また、台風の接近時に日本海側はフェーン現象が発生。新潟県の中条や高田、山形県鼠ケ関などで40℃を超える猛暑を観測しました。
台風10号は豊後水道を通過し、8月15日に広島県呉市付近に上陸、お盆休みを直撃しました。広島県への上陸は1990年14号以来、3回目です。山陽新幹線が事前運休を実施するなど、Uターンラッシュに大きな影響を及ぼしています。
また、台風の接近時に日本海側はフェーン現象が発生。新潟県の中条や高田、山形県鼠ケ関などで40℃を超える猛暑を観測しました。
関東を中心に暴風・大雨による甚大な被害が発生
2019年の台風被害が大きかったのは関東を中心とした東日本です。9月9日に千葉県に上陸した15号は、関東に上陸した台風としては最も強い勢力で、千葉で観測史上1位の最大瞬間風速57.5m/sを記録するなど、暴風によって大規模な住宅被害と停電を引き起こしました。
また、猛烈な勢力まで発達した台風19号は10月12日に伊豆半島に上陸。関東甲信から東北南部で記録的な大雨をもたらし、これまでで最も多い13都県に大雨特別警報が出ました。箱根では総雨量が1000mmを超え、千曲川をはじめとする多くの河川が氾濫し、著しい浸水被害となっています。
さらに10月後半に発生した台風20号、21号の間接的な影響で、千葉県内で猛烈な雨が降るなど、大きな爪痕を残しました。
さらに10月後半に発生した台風20号、21号の間接的な影響で、千葉県内で猛烈な雨が降るなど、大きな爪痕を残しました。
台風の影響で大雨特別警報の発表も
今年は大雨特別警報が出た事例が3回ありましたが、上記の台風19号のほか、いずれも台風が絡んでいました。
7月20日に長崎県の五島や対馬に大雨特別警報が出されたのは、台風5号から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響です。
また、8月28日に福岡県や長崎県、佐賀県に大雨特別警報が出されたのも、台風11号から変わった中国大陸の低気圧と、フィリピンで発生していた台風12号からの暖かく湿った空気が影響していたと思われます。
7月20日に長崎県の五島や対馬に大雨特別警報が出されたのは、台風5号から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響です。
また、8月28日に福岡県や長崎県、佐賀県に大雨特別警報が出されたのも、台風11号から変わった中国大陸の低気圧と、フィリピンで発生していた台風12号からの暖かく湿った空気が影響していたと思われます。
台風の発生、上陸は多い傾向が継続中
台風の発生数は3年連続で平年を上回り、上陸数は2014年以降、6年連続で平年よりも多くなっています。現段階で2020年の発生や上陸を見通すことは難しいものの、近年の傾向からは引き続き警戒が必要と考えられます。
台風シーズンを迎える前に、ハザードマップなどで生活圏の危険を確認したり、いざという時の備蓄品の確保などをしっかり行っておくことが重要です。
>>台風が発生したら台風情報へ
台風シーズンを迎える前に、ハザードマップなどで生活圏の危険を確認したり、いざという時の備蓄品の確保などをしっかり行っておくことが重要です。
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参考資料など
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)米円(べーえん)さん、やすゆきさん