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米投入のタイミングが鍵 七草粥のおいしい炊き方

2020/01/07 06:04 ウェザーニュース

年末年始の暴飲暴食がたたって胃に疲れを感じていませんか。

疲れた胃にはあっさりとした優しい味の七草粥がうれしいもの。日本のハーブともいえる七草には、スズナ(蕪)・スズシロ(大根)の消化促進作用、ナズナ(ぺんぺん草)の利尿作用などの健康効果があり、この時期に食べる習慣としてとても理にかなっています。

そうはいってもお粥がどうもうまく炊けないという声も聞きます。そこで、おいしい七草粥の炊き方を管理栄養士の柴田聡美先生に伺いました。

お粥をベタつかずに作るコツ

プロの作るお粥はさらっとしていて食べやすいけれど、自分で作るとできあがりがベタベタ、糊のようになっておいしくないと思っている方も少なくありません。

「お粥というと、弱火でフタをして、じっくりコトコトと煮るイメージがあるかもしれません。しかし、それでは糊のようになってしまいます。米のデンプンは糊化(こか)するときに自分の重さの数百倍も水分を吸うので、時間をかけて煮ている間にどんどんデンプンが流れ出て、糊のようになってしまうのです。これを避けることがおいしく作るコツです。

まず鍋に水を入れ、グラグラに沸騰させます。そこに20分ほど水に浸けた米を投入し、鍋底に米がつかないように鍋底をヘラでこそげるようにかき混ぜます。フタをしないで強火で3分加熱したら、中火にします。

この間、ときどき鍋底からさっくりと混ぜてください。10分程度たったところで熱湯を足してさっくり混ぜ、5分たったら火を止めて、下ゆでしておいた七草を入れてフタをし、4〜5分蒸らせばできあがりです。これでベタベタしない、さらっとしたおいしい七草粥になります」(柴田先生)
熱湯に米を入れたり、火加減は強火か中火、フタもしないとは、広く知られているお粥の作り方とは違うので驚きです。

米の表面を熱湯で糊化させる

「ポイントは米が糊化する性質をうまく利用することです。時間をかけてしまうと、米の中のデンプンが流れ出して糊化してしまいます。こうなるともうベタベタです。そこで、最初に熱湯で米の周りのデンプンを一気に糊化させ、米の表面に膜をつくることで、米の内部のデンプンが流れ出すのを防ぐのです。

さらに、炊いている途中で時々混ぜて米にまんべんなく吸水させることで、米がやわらかく、それでいてベタつかないお粥になるのです。フタをしないのは、最後まで強火〜中火なので、フタをすると吹きこぼれてしまうからです」(柴田先生)

日本の行事食である七草粥で胃腸の調子を整えて、元気よく新年のスタートを切りましょう。