生薬を配合した「屠蘇散」
東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生によると、「お屠蘇」は、日本酒や味醂(みりん)に生薬を配合した「屠蘇散」を浸したものです。屠蘇散はドラッグストアや漢方薬店で販売され、ティーバッグの中には、生薬の肉桂(にっけい)、山椒(さんしょう)、白朮(びゃくじゅつ)、桔梗(ききょう)、防風(ぼうふう)などが入っています。
これらの成分は、血行をよくし、胃腸の働きを活発にし、風邪をひきにくくするとされます。屠蘇散を大晦日に日本酒や味醂に浸し、元日の朝、お節料理やお雑煮をいただく前に飲みます。
これらの成分は、血行をよくし、胃腸の働きを活発にし、風邪をひきにくくするとされます。屠蘇散を大晦日に日本酒や味醂に浸し、元日の朝、お節料理やお雑煮をいただく前に飲みます。
飲み方にも決まりがある
正式には屠蘇器(とそき)という朱塗り、あるいは白銀や錫(すず)などのお銚子と三段重ねの杯(さかずき)でお屠蘇をいただきます。
「飲み方にも決まりがあって、お屠蘇を杯に注いだら神棚にささげ、『一人これを飲めば一家苦しみなく、一家これを飲めば一里病(やまい)なし』と唱えてから、年少者から順に飲みます」(小泉先生)
未成年者や車を運転する人は口をつけるマネでよいそうですが、厄年の人は最後に飲むのが決まりです。このような日本古来の風習をきちんと知っておきたいものですね。
「飲み方にも決まりがあって、お屠蘇を杯に注いだら神棚にささげ、『一人これを飲めば一家苦しみなく、一家これを飲めば一里病(やまい)なし』と唱えてから、年少者から順に飲みます」(小泉先生)
未成年者や車を運転する人は口をつけるマネでよいそうですが、厄年の人は最後に飲むのが決まりです。このような日本古来の風習をきちんと知っておきたいものですね。