河口から離れた指定海域
「簡単に言うと、牡蠣の『生食用』は各県が定めた指定海域で獲れたもの、『加熱用』はそれ以外の海域で獲れたものです」と語るのは、大手牡蠣養殖業者です。
「生食用」の牡蠣にとって怖いのは、ノロウイルスや食中毒菌に汚染されることです。そのため、雑排水が流れ込む川の河口から離れた汚染のリスクが低いエリアなどが指定海域に定められています。
「生食用」の牡蠣にとって怖いのは、ノロウイルスや食中毒菌に汚染されることです。そのため、雑排水が流れ込む川の河口から離れた汚染のリスクが低いエリアなどが指定海域に定められています。
2〜3日かけて浄化する
「付け加えると、『生食用』は採取後に浄化という工程が必要です。牡蠣は1時間に20Lの海水を吸入・排出する性質を利用して体の中をきれいにします。紫外線を照射するなどして無菌化した海水に2〜3日漬けておくのです」(同)
ただし、県によっては指定海域を設けていないことがあります。その場合は、浄化後の牡蠣が「生食用かきの規格基準」(厚生労働省)に適合していれば「生食用」として出荷できるそうです。
「加熱用」のほうが太って美味しい?
一方、指定海域外で養殖している「加熱用」の牡蠣は、一般的に栄養分が多い河口近くで養殖されているうえに、浄化する必要がありません。
「そのため、『加熱用』の牡蠣のほうが太っていて味も濃いといわれることがあります。しかし、あくまで『加熱用』ですので、カキフライやクラムチャウダー、牡蠣鍋など火を通してお召し上がりください」(同)
なんと、「生食用」のほうが新鮮というわけではなかったのです。旬の牡蠣を食べながら、味の違いを食べ比べてみてはいかがですか。
「そのため、『加熱用』の牡蠣のほうが太っていて味も濃いといわれることがあります。しかし、あくまで『加熱用』ですので、カキフライやクラムチャウダー、牡蠣鍋など火を通してお召し上がりください」(同)
なんと、「生食用」のほうが新鮮というわけではなかったのです。旬の牡蠣を食べながら、味の違いを食べ比べてみてはいかがですか。