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デコボコしている方が良い? 美味しいりんごの見分け方

2019/12/15 06:04 ウェザーニュース

りんごが今まさに店頭を華やかに飾っていますね。せっかく買うなら蜜入りで濃厚な甘さのりんごが買いたい、と思う方も多いと思います。

「そのおいしさで“究極のりんご”と呼ばれるりんごは、店頭にも出ていますよ」と青森のりんご生産者団体、りんご産地市場などが運営するバーチャル大学「りんご大学」の太田裕介さんが教えてくれました。

栄養分や蜜が詰まった“いぼりりんご”とは

「蜜が入って完熟したりんごは、味はもちろん、果汁の多さ、歯ごたえがまさにりんごの王様といえます。その中でも特に美味しいりんごがあるのです。それは“いぼり”が入ったりんごです。“いぼり”とは、りんごの表面のデコボコのことをいいます」(太田さん)

りんごがデコボコしているのは、どこかにぶつけたとか、しなびかけているのではないのでしょうか。

「いえ、“いぼり”はたっぷりと栄養分を吸収したりんごだけにできるものです。“いぼり”りんごは、1本の木すべてに実るわけではなく、成熟した枝だけに結実します。さらに枝だけでなく、真冬の剪定(せんてい)から始まって、摘果や肥料の調整など数々の条件が揃ってはじめて“いぼり”が入るので、私たちは“究極のりんご”と呼んでも過言ではありません」(太田さん)

“いぼり”を探すなら1個売りを狙う

それではなかなか店頭でお目にかかることはむずかしそうですね。

「ところが、“いぼり”りんごはこの時期、店頭に並ぶ時も普通のツルツルりんごに混ざって販売されることが多いのです。だから、1個ずつ並んで売られているものの中から“いぼり”りんごが見つかることがあります。“いぼり”りんごは手に取って見ると、ずっしりと重みがあります。切ると中には高い確率で蜜が入っています。

蜜が入っているということは、果肉の細胞にすでに糖が充分に蓄えられていて余っている状態で、りんごの果肉全体が完熟して甘いということです。甘味も濃厚で普通のりんごとは明らかにおいしさが違うので、見つけられたらラッキーです。

ただし、すべての品種に蜜が入るわけではありません。よく見つかる品種はサンふじ、ふじ系なので、これらを狙うと良いかもしれません」(太田さん)

この冬は店頭で、究極の“いぼり”りんごを探してみませんか。