facebook line twitter mail

インフルエンザが重症化しやすい人、軽症ですむ人の違いとは?

2019/12/13 06:36 ウェザーニュース

国立感染症研究所によると、12月1日までの1週間で、1医療機関当たりのインフルエンザ患者数が全国平均で5.52人となりました。昨年の同時期が0.93人だったのに比べると、早期の流行が続いています。

インフルエンザを死因として亡くなる人は年間200〜2000人前後いますが、肺炎などを併発して亡くなる人を含めると年間約1万人と推計されています。重症化する人と軽症ですむ人はどこが違うのでしょうか。

妊婦、乳幼児、高齢者は要注意

妊婦、乳幼児、高齢者はインフルエンザが重症化することがあると報告されています。

「インフルエンザにかかったことがない乳幼児は免疫がないため感染すると重症化しやすく、また高齢者は免疫力が低下しているため重症化しやすいのです。妊婦の場合は、妊娠中に免疫力が落ちるため、インフルエンザに感染しやすく、また重症化しやすいことが知られています。妊婦が感染すると早産になることもあります」と言うのは横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長です。

インフルエンザのハイリスク群

次のような持病を持っている人は、インフルエンザに感染すると重症化しやすいとされています。

・気管支喘息や気管支拡張症など呼吸器疾患
・狭心症や弁膜症、心筋症など心疾患
・糖尿病、高脂血症、通風など代謝性疾患
・腎不全や腎炎など腎臓疾患
・ステロイド内服などによる免疫機能不全

「こういうハイリスク群の人がインフルエンザに感染すると、持病が悪化して重症化しやすいのです。また、慢性関節リウマチなどでステロイドを内服している人は、免疫力が低下しているので、容易にインフルエンザに感染してしまいます」(吉田院長)

このため、次のハイリスク群の人はインフルエンザの予防接種費用が一部助成されています。

・65歳以上
・60〜64歳で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害がある人
・60〜64歳で、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による免疫機能に障害がある人

「インフルエンザの予防接種を受けても感染することはありますが、重症化を防ぐことができます。ハイリスク群、妊婦、乳幼児、高齢者、それに受験生もぜひ受けてください。これは忘れてならないことで、ハイリスク群が家族にいる場合は自分だけのことではありません。家族のためにも予防接種は欠かせません。

私はつい最近“休日急患診療所”の当番で多くの発熱患者さんを診察しましたが、予防注射を受けていない人の多くはインフルエンザAの診断でした。しかし、予防注射を受けた人は症状も軽く、インフルエンザではなく風邪だったのか、検査結果はマイナスでした」(吉田院長)

未成年はインフルエンザ脳症に要注意

子どものインフルエンザにも注意が必要です。

「症例報告は年間100件前後と少ないのですが、注意してほしいのが未成年のインフルエンザ脳症です。インフルエンザの症状に加えて、(1)呼びかけに答えないなどの意識障害、(2)意味不明の言動、(3)持続性のけいれんなどの症状が現れます。インフルエンザ脳症で死亡したり、後遺症が残ることがあります。このような症状が見られたら、直ちに医療機関を受診してください。解熱剤でインフルエンザ脳症がより重症化することがあるので、解熱剤の使用は控えてください」(吉田院長)

タミフルなどの抗インフルエンザ薬を服用した子が、ベランダから飛び降りたり、道路に飛び出して亡くなるケースが知られていますが、抗インフルエンザ薬を使用しなくてもインフルエンザ脳症は起こるといいます。

合併症も含めてインフルエンザで亡くなる人は年間1万人前後。感染者は1000万人以上いるのですから、大半は軽症ですんでいるようです。

しかし、重症化するおそれのある人は予防接種を受け、それでも感染した場合は、重症化を防ぐ効果がある抗インフルエンザ薬の使用が奨められます。