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日本海側で見られる“時雨虹” 晩秋~初冬の風物詩

2020/10/30 14:47 ウェザーニュース

福井県坂井市より(2019年11月20日撮影)

秋の終わりになってくると日本付近は冬型の気圧配置となる日が出てきます。そうなると東北や北陸、近畿北部では雨が降ったり日差しが出たりと変わりやすい天気になり、虹が出やすくなるのです。

晩秋~初冬は日本海側で虹の季節

虹というと、夏の夕立の前後に見られるという印象があるかもしれませんが、実は日本海側では今の時期が一番虹がよく見られる季節になります。それには3つの理由があります。

1.冬型の気圧配置で細かい雨雲が流れ込みやすい

雨雪レーダー(ブルーが雨、ピンクが雪)
この時期は冬型の気圧配置になると、日本海側には雨雲や雪雲が流れ込みやすくなります。日本海から流れ込む雲は、ひとつひとつが小さな雲で、それが細かく散らばっています。そのため、雨や雪が降っているすぐそばで日が差すことが多く、よく虹が見られるのです。

2.冬の前はまだ雪にならない

このように日本海から流れ込んでくる雲から降るものは、真冬になると雨ではなく雪のことが多くなります。雪粒の場合は、太陽の光があたっても、雨粒のように屈折・分光して七色にならないため、真冬には虹がほとんど見られません。ただ、この時期はまだ気温が下がりきらずに雨になることが多いので、虹が見られる機会が多くなります。

3.太陽高度が低く、一日中観測チャンス

虹は私達が太陽を背にして立った時、太陽光の進む方向(対日点)から常に42度の角度を保って現れます。そのため、太陽と地面の角度(=太陽高度)が50度以下だと見えやすいと言われています。
晩秋~冬、早春にかけては昼間でも太陽が高く昇らないため、夏場などと違い、北日本などでは一日中、虹が見られるチャンスがあります。

>>最新の雨雲レーダー
>>今いるところの天気・気温

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)笛吹童子さん