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二十四節気「立冬」 まだ11月なのに暦上は“冬の始まり"

2019/11/08 05:47 ウェザーニュース

8日(金)は二十四節気「立冬(りっとう)」。暦の上では冬の始まりとなりますが、実際には若干のズレがあるようです。

11月上旬なのに冬の始まり?

立春・立夏・立秋と今回のテーマでもある立冬をあわせて「四立(しりゅう)」といいます。
“立”には新しい季節になるという意味があり、それぞれの季節の節目を表しています。

暦の上では新しい季節になるわけですが、まだ冬には早いような…?
ではなぜ、こんなにも実際の季節と暦上の季節は違うのでしょうか。

季節的変化に若干のズレ

情報元:気象庁
実は、二十四節気は中国が発祥の地。中国の中でも黄河中流域付近の気候を基準としているようです。
試しに黄河中・下流域に位置する鄭州と都市化の影響が少ない茨城県水戸市の気温を比べてみます。

鄭州の場合、最も寒いのが1月、最も暑いのが7月となっています。一方、水戸市は1月~2月が寒く、8月が最も暑くなっています。
出典:気象談話室 二十四節気は本当に日本の季節変化とずれている?

約1節気分のズレが生じる

さらに、水戸と安陽(黄河の中・下流域に位置し、水戸と同緯度にある都市)の各節気の節入の日における日平均気温を比較してみます。
安陽では大寒に最も気温が低く、大暑に最も高くなっています。

しかし、水戸では大寒~立春にかけてが最も低く、立秋に最も気温が高くなっていました。

こう見ると、黄河と日本では約1節気ズレていることがわかります。そのため、黄河の気候を基準とした二十四節気では、日本の季節と異なってしまうというわけです。

立冬は来る冬に備える時期

中国のことわざで「立冬補冬、補嘴空」というものがあります。立冬はその時期に収穫されたものを食べて栄養を補給しよう!という意味のようです。

立冬を冬の始まりと考えると、日本ではいまいちピンときませんが、寒い冬を乗り切るための冬支度の時期と捉えると良いかもしれません。
中国のことわざに倣い、旬なもので栄養を補給し、来る冬に備えてみてはいかがでしょうか。

参考資料など

【参照・参考元】
気象庁「水戸 平年値」http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=40&block_no=47629&year=&month=&day=&view=
気象庁「鄭州 平年値」http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/climatview/graph_mkhtml.php?&n=57083&p=12&s=5&r=1&y=2016&m=12&e=0&k=0
石原幸司(2008)「気象談話室 二十四節気は本当に日本の季節変化とずれている?」,『天気』55(11),pp. 929-933 http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2008/2008_11_0045.pdf

【写真】ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
すばるαさん