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台風19号の被害状況を徹底分析 風速30m/s前後で暴風被害や停電が急増

2019/11/07 09:22 ウェザーニュース

今年は夏以降、台風による災害が各地で目立っています。

中でも、10月12日〜13日に日本列島を通過した台風19号による被害は甚大で、同時多発的に河川が氾濫し、大規模冠水や浸水が発生しました。
各メディアでも河川氾濫や冠水・浸水被害を主に伝えていましたが、それと同時に風による倒木や家屋破損などの被害も多数発生していました。

ウェザーニュースでは、台風19号による被害の実態調査を実施し、すでに一時集計の結果は発表しております。
今回は、一般ユーザーから寄せられた35万件もの情報と気象観測データをより詳細に分析した結果を続報としてお伝えします。

風速29m/s超で家屋損壊等のリスク高まる

アプリ「ウェザーニュース」より
まず、約10万件の暴風被害の報告と最大瞬間風速の関係を分析しました。

倒木発生の報告があった地点の25%で最大瞬間風速24m/s以上を観測、50%で29m/s以上の風を観測していることが分かりました。
同様に、大きな飛来物の報告があった地点の25%で最大瞬間風速26m/s以上、50%以上で29m/s以上の風を観測。
家屋破損のあった地点の25%で最大瞬間風速27m/s以上、50%で29m/s以上の風を観測していました。

上記を踏まえると、最大瞬間風速25m/sを超える予想された場合には、倒木や大きな飛来物、家屋破損のリスクが非常に高まることが分かりました。

風速31m/s超で半数が停電を経験

次に、約12万件の停電に関する報告と最大瞬間風速の関係を分析しました。

停電報告(1時間未満の短い停電も含む)のあった地点の25%で最大瞬間風速26m/s以上を観測、50%の地点で31m/s以上を観測していました。

これらの分析結果をもとに、ウェザーニュースが発表している停電リスク予測の精度向上へ繋げていきます。

後日データ公開予定

本分析に活用した内容を含むユーザーからの35万件の被害報告や気象データなどは、大学機関などの災害研究や各防災機関の活動など、減災のために幅広く活用いただけるよう、二次利用が可能なフォーマットで近日公開していく予定です。

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
東京都中野区の空