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10月26日は柿の日 なぜ「柿が赤くなると医者が青くなる」のか

2019/10/26 11:52 ウェザーニュース

今日10月26日は柿の日です。(※由来は後述)

「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあります。柿が赤くなる秋は天候がよいので、体調を崩す人は少なく、医者は商売にならずに青ざめる、という意味です。これはおそらく、柿の健康効果も手伝って生まれたことわざでしょう。

では、その柿の健康効果とはどんなものか見てみましょう。

老化防止や美容、二日酔いの予防にもおすすめ!

まず特筆すべきは、ビタミンCの含有量です。甘柿は可食部100gあたり70mgと果物の中ではトップクラスで、1個食べると、ビタミンCの1日の摂取基準量を満たすことができます。ビタミンCは風邪の予防や免疫力アップ、美肌の育成・維持などに重要な働きをする栄養素です。
柿には、クリプトキサンチンやリコピンなどのカロテノイドも含まれていて、これらは老化防止などに効果が期待できます。

柿に含まれているタンニンの一種には、アルコールの有害な作用を抑える作用が期待でき、柿は二日酔いの予防や緩和にも役立ちます。秋が深まり、焼酎のお湯割りや燗酒がおいしいこの季節、「飲む前にまず柿」を習慣化すると、二日酔いを予防できるかもしれません。

さらに、タンニンには抗酸化作用もあるので、がんなどの抑制効果も期待できます。

正岡子規にちなんで、10月26日は「柿の日」

「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」。これは明治時代に正岡子規が詠んだ俳句です。

子規は1895(明治28)年10月26日に奈良へと旅立ちました。その旅先で「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」を詠んだといわれます。この俳句にちなみ、10月26日は「柿の日」に定められています。

残念ながら、子規は結核が原因で満34歳で夭折(ようせつ)しますが、だからといって、柿の健康効果への評価が低まるものではありません。もしかしたら、子規は柿好きだったために、34歳まで生きられたかもしれないのです。

日本での柿の歴史は古く、柿は奈良時代にはすでに食べられていたといわれます。

日本人になじみ深く、栄養豊富な柿。「朝の果物は金」ということわざがありますが、朝といわず、昼でも夕でも、柿の滋味(じみ)を味わってみてはどうでしょうか。柿はあなたの健康をきっと支えてくれるでしょう。

参考資料など

『新しい実践栄養学』(落合敏、主婦の友社)、『最新決定版 食材事典』(監修/廣田孝子、学研プラス)、『あたらしい栄養学』(監修/吉田企世子、松田早苗、高橋書店)、『日本の365日を愛おしむ』(本間美加子、東邦出版)