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2019年上陸台風 ウェザーニュースの進路予想の精度は?

2020/06/17 15:36 ウェザーニュース

2019年は9月から10月にかけて、台風15号と台風19号が相次いで日本に上陸しました。
台風15号は主に暴風による被害が、台風19号では大雨による大規模な水害によって甚大な被害が発生。台風の猛威を改めて認識させられるものになりました。

10月20日時点で2019年に日本列島へ上陸した台風について、ウェザーニュースが発表した台風予想の精度がどうだったのかをウェザーニュース予報精度改善チームの気象予報士 宇野沢が解説します。

台風の進路予想は気象庁しか公表できない

1995年に気象業務法が改正され、民間気象会社が一般の方へも独自の天気予報を発表できるようになりました。

ただ、台風の進路予想に関しては、一般の方へは防災上の観点から気象庁が発表した台風情報の範囲内で解説することとなっており、独自の台風予報を発表することはできません。

※特定向け(契約に基づく)の予報では、独自の台風予報を行うことが可能です

他国の気象機関では台風進路を発表している

日本では気象庁しか一般の方へ台風の進路予想は公表できないと書きましたが、他国の気象機関が使用する気象予測モデルでも台風は表現されています。

日本からもこれらの気象モデルを参照することが可能なほか、さまざまな国の気象機関が日本周辺の台風についても独自の台風予報を発表しています。

各予測機関の台風進路の精度は?

このように台風の進路予想は、日本の気象庁のみならず他国の気象機関の情報も見ることができます。ただ、精度としてはどのくらい当たっているのでしょうか。

そこでウェザーニュースも含めた気象機関の台風進路の予想結果がどれくらい実際の進路に近かったのかを検証していきます。
<検証方法>
今回は2019年に発生した台風のうち、日本に上陸したものを抽出して検証を行いました。(台風6号、8号、10号、15号、19号)
※台風15号と19号については、気象庁による事後解析終了前なので速報値での検証となります。

気象庁が行っている台風進路予報の精度評価方法と同じ手法を用いて、台風が発生してから消滅するまでの台風の予想中心位置(予報円の中心)について、実際の台風進路との距離(誤差:小さいほど良い)を求めました。
>>(参考)気象庁 台風予報の精度検証ページ

台風中心位置 予想時間での誤差比較

台風進路予想と実際の進路との誤差(小さいほど精度が高い)
この結果を、日本の気象庁(JMA)、アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)、ウェザーニュースの3つで比較したところ、12時間先から96時間先までの予報に関して、ウェザーニュースが実際の進路と予想位置との誤差が一番小さく、台風進路の予報精度が一番良くなっています。

3者の差が一番大きくなった96時間先(4日先)の予報では、ウェザーニュースは日本の気象庁よりも平均して約20km誤差が少なく、アメリカ軍合同台風警報センターと比較すると、平均して約30kmも台風の中心位置を正確に予想していました。

ウェザーニュース 台風精度の秘訣

ウェザーニュースでは、日本周辺のみならず、世界各地で発生する台風やハリケーン、サイクロンなどの熱帯擾乱を専門に監視し、情報収集するチーム「グローバルストームセンター」を立ち上げ、24時間365日様々なエリアで発生する熱帯擾乱の予報・解析を行っています。

このため、日本の気象庁の台風情報だけではなく、世界各国の気象予測モデルによる結果も解析し、過去の台風進路などとも比較・検討しながら独自の台風進路の予想をお伝えしています。

より正確な台風情報を提供するために

さまざまな要因によって、進路が左右されてしまう台風。進行方向の右側に入るのか、左側に入るのかで、その影響が大きく変わってきてしまいます。

ウェザーニュースでは、今後も台風の進路予測について、いち早く最も正確な予測を伝えられるように、過去台風のデータの蓄積や分析、AIなど様々な技術や手法を用いて、予測改善に取り組んでいます。それによって、災害をできるだけ少なくする“減災”に繋げていければと考えています。

>>【予報精度向上への取り組み】予報のはずれを感じたらこちらへ報告

9月を振り返ってみて

今月は台風による社会生活への影響が大きかったため、その予測精度について触れました。

災害から身を守るためには前もってどれだけ備えることができるかがとても重要です。特に台風の場合は暴風、大雨、高波などを要因として様々な災害が発生するため、しっかりとした備えが必要になってきます。

備えをするためには、自身の生活エリアでどのようなことが起き得るのかを知る必要があります。
このことから台風の予測は進路やそれによる影響も含め、いかに早く正確な情報を発信できるかが被害を軽減するうえで大切となってきます。

これからも進路や強さ、暴風、大雨など台風による現象の予測精度を高め、最も信頼できる防災情報を発信できるように努めていきます。

【宇野沢 達也】
ウェザーニュース予報センター 気象予報士。千葉県旭市出身 自治体防災担当職員から転職し入社26年目。予報精度改善チームで予報業務および精度検証・改善を行っている。

参考資料など

気象庁 台風予報の精度検証結果(https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typ_kensho/typ_hyoka_top.html)