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台風19号による浸水/冠水・暴風被害・停電 35万件のビッグデータ分析

ユーザーから寄せられた被害報告の一次集計結果

2019/10/15 17:34 ウェザーニュース

台風19号の記録的な大雨により、10月12日(土)〜13日(日)にかけて多発的に河川が氾濫し、様々なメディアを通して深刻な浸水被害が伝えられています。ただ、報道されていない被害も多数あり、被害状況の全容が明らかになっているわけではありません。
ウェザーニュースでは、12日(土)〜13日(日)に届いた10万人を超えるユーザーによる「冠水」「暴風被害」「停電」に関する35万件の回答と、当時の気象観測データを分析。まずは現時点での状況把握にご活用いただければと、15日(火)時点での一次集計の結果を速報的にお伝えします。

【冠水・浸水】関東・長野・東北の太平洋側から多数到着

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関東・長野・東北の太平洋側を中心に多数の冠水報告が届きました。

台風一番外側の活発な雨雲が流れ込み続けた影響で、台風の上陸前から広範囲に「足首以上」の冠水が発生。その後、台風の最接近時は、局地的に「ひざ以上」「腰以上」となった所もありました。

これらの冠水は、内水氾濫(雨水の排水が追いつかず市街地に溢れること)、もしくは河川氾濫による大規模冠水(浸水)と考えられます。

広範囲で総降水量500mm超、河川氾濫が各地で多発

総降水量をみてみると、関東西部から長野県にかけて500mmを超える記録的な雨が広範囲で降ったことがわかります。また、北関東から東北太平洋側の広い範囲で300〜400mmの大雨となりました。

分水嶺(日本海側と太平洋側の水流の境目)をまたいで大量の雨が降ったため、関東側と長野側の両方で河川が増水し、被害が広範囲に及びました。

【暴風被害】関東を中心に倒木や家屋損壊などの報告も

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メディアでは広範囲かつ大規模な河川氾濫しか報道されていませんが、関東を中心に倒木や家屋損壊など暴風被害の報告も届いています。

台風が通過した静岡や関東では、12日(土)午後になって「大きいものが飛んだ」など飛来物の報告が増え始め、夜になって関東西部では「倒木」や「家屋破損」などの被害報告が多数届きました。

被害報告は、台風の中心付近とその東側で多くなっています。最大瞬間風速は、台風の西側にあたる静岡で24.5m/s、東側の横浜や東京都心は40m/s超でした。一方、台風の中心付近での猛烈な風は台風15号ほどではなく、50m/sを超えた地点はありませんでした。

台風から離れた西日本でも風の影響あり

台風の中心から離れた西日本でも強風の影響がありました。これは台風の暴風域が非常に大きかったことと、大陸の高気圧との気圧差が大きかったためです。

例えば、兵庫県神戸市付近で「倒木」が複数報告されていますが、神戸では最大瞬間風速30m/s以上を観測。消防庁の14日(月)8時現在のまとめによると、兵庫県を中心に30人以上の負傷者が発生しています。

【停電】関東を中心に長野や東北でも発生

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台風が通過した静岡・関東・東北南部を中心に停電の報告が多数届きました。

関東の停電は暴風に起因する停電がほとんどと思われ、千葉県では12日(土)午前中から停電が発生しましたが、これは市原市の竜巻が原因と考えられます。全体としては風速が50m/sを超えなかったため、幸い広域停電にはなりませんでしたが、風速40m/s超の所が多く、局地的な停電が多数発生したようです。

また、長野、福島、宮城からも停電の報告が多数到着。河川氾濫の影響と思われます。

今後も分析を継続、後日データ公開予定

今後も全容解明にむけ、継続的にユーザーの皆さまからの情報を集約し、気象解析と合わせて詳細な分析を進め、また改めて分析結果をお伝えする予定です。なお、本分析に活用したユーザーからの35万件の被害報告や気象データなどは、二次利用が可能なフォーマットで後日公開していく予定です。

参考資料など

調査結果:ウェザーニュース「ソラミッション」より