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秋の行楽、草むらではツツガムシ病に注意

2019/10/15 06:09 ウェザーニュース

初夏または秋から冬にかけて、草むらを歩いた5〜14日後に、食欲不振、38〜40℃の高熱など風邪のような症状が出て、発疹が顔や体に現れたらツツガムシ病かもしれません。
毎年全国で300〜500人前後が感染し、重症化すると肺炎や脳炎症状を起こし、死に至ることもある怖い病気です。

犯人はダニの一種、ツツガムシの幼虫

「ツツガムシ病は、ダニの一種であるツツガムシの幼虫(体長約0.2mm)に刺されると感染します。刺されても痛みや痒みを感じないため、発熱や発疹が出た後、内また、脇の下、下腹部など体の柔らかい部分にツツガムシに刺された跡(刺し口)が発見されるケースが多いです」というのは、アース製薬・虫ケア用品ブランドマネージャーの北口明宏さんです。

ツツガムシは森林や草地、畑など屋外に生息しています。品種によって秋〜初冬に孵化するもの、春〜初夏に孵化するものがあり、孵化した幼虫が人や動物を刺します。ただし、リケッチアという細菌を保有している幼虫に刺されるとツツガムシ病に感染しますが、リケッチアを保有している幼虫は0.1〜3%程度で、リケッチアを保有していない幼虫に刺されても発症しません。

全国に生息するツツガムシ

ツツガムシはかつて山形県、秋田県、新潟県などで夏に感染する風土病でしたが、戦後は新型ツツガムシが出現して全国で春と秋を中心に感染例が見られますます。ワクチンはありませんので、症状が疑われるときは早期に医師の診察を受けてください。

では、どうしたら予防できるのでしょうか。

「ツツガムシの幼虫は体長約0.2mmと大変小さいので肉眼で見つけられません。河川敷や山間部に行くときは、長ズボン、長そでを着用して素肌をさらさないでください。また、河川敷や山間部に入った後はツツガムシが付着している可能性があるため早めに入浴して洗い流し、衣服を早めに洗濯することです」(北口さん)

虫よけ剤はツツガムシにも有効です。

「ツツガムシを寄せつけないためには、ディートを高濃度含有する医薬品の虫よけ剤が有効ですが、使い方に注意が必要です。肌の露出面だけではなく、履物やズボンの裾等にまんべんなくスプレーして下さい。また、薬剤だけに頼らず、シャツ、ズボン、長靴等を使用し、肌を露出しないようにすることや、生息していそうな場所に立ち入る前にスプレーすることが大切です」(北口さん)

秋の行楽で野山へ行くときはツツガムシ対策も忘れずに出かけてください。