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鼻水やクシャミ、目のかゆみ… 秋の花粉症対策

2019/09/18 13:41 ウェザーニュース

夏の終わりから、クシャミ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどに悩まされているという声を耳にします。

実はこのような症状が続いたら、秋の花粉症かもしれません。イネやブタクサやヨモギなど、自宅近くや通勤・通学の経路にある空き地や河川敷に繁殖する草が引き起こす花粉症です。

ブタクサやヨモギの花粉で発症する

「私のクリニックの近くを多摩川が流れ河川敷が広がっていて、そこにブタクサやヨモギが生えているので、8月の半ばくらいから秋の花粉症の患者さんが来院しています」と語るのは、せたがや内科・神経内科クリニック(東京都世田谷区)の久手堅司院長です。

秋の花粉症を起こすのは、ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウといったキク科の植物のほか、イラクサ(イラクサ科)、カナムグラ(クワ科)、カモガヤ(イネ科)などもあります。8~9月頃から花粉が飛び始め、10月の終わりから11月初旬まで続きます。

血液検査で何に反応するか調べる

「春の花粉症の原因になるスギやヒノキは大規模に植林され、花粉が風に乗って遠方まで飛散するのに対し、秋の花粉症の原因になる雑草は高さがせいぜい2mで、花粉が飛散する範囲は数十m程度と狭いのが特徴です。浴びる花粉が少なければ症状は軽いのですが、群生地で花粉を大量に吸い込むと、顔が腫れ上がるなどショック症状を起こすことがあります」(久手堅院長)

自分が秋の花粉症なのかどうかはアレルギー検査でわかります。以前はアレルギー物質を皮膚に貼り付けたり(パッチテスト)、注射したり(皮内テスト)して反応を見て判断していましたが、最近は少量採血する血液検査(RAST検査)で特定の物質に対する抗体を持っているかどうか調べます。

「費用は何項目を調べるかで異なりますが、症状が出ている人が秋の花粉症が疑われるものをセットで検査する場合、健康保険が適用されて自己負担は5000円前後。スギ花粉やヒノキ花粉は大丈夫だけれど、ブタクサに反応する人もいました。原因植物が特定されたら、植物図鑑を見て自分の生活圏に繁殖していないかを調べ、原因植物の繁殖地があれば遠回りするなどしてください」(久手堅院長)

それでも症状が出るときは、春の花粉症対策と同じように、外出時にはマスクをして花粉を吸い込まないようにする、目のかゆみがあれば防塵用のメガネをかけるなどの対策をとりましょう。

症状が強ければ医療機関で抗アレルギー薬や抗炎症薬やかゆみ止めなどを処方してもらうとよいでしょう。