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最大瞬間風速40m/s以上で停電多発 台風15号被害ビッグデータ分析

台風15号の記録的暴風による停電被害と風速の関係を分析

2019/09/12 16:43 ウェザーニュース

台風15号の直撃を受けた関東南部では、9月8日(日)夜から9日(月)朝にかけて猛烈な風が吹き荒れ、暴風被害が各地で発生。東京電力によると、9日(月)朝7時45分時点では、約93万戸の大規模な停電が発生。3日経過した12日(木)現在も千葉県内では停電が続いています。
そこで、ウェザーニュースでは、天気アプリ「ウェザーニュース」やTwitterを通じて停電に関する緊急調査を実施。9日(月)から10日(火)昼前までに1.3万通を超える回答が寄せられました。

これらの回答と、気象観測器(アメダス)の風速を分析した結果、停電と風速の関係が見えてきました。

最大瞬間風速40m/s以上で停電が多発

1.3万通を超える停電報告
停電報告に風速を重ねた図
上図は、調査による停電状況の回答に、最大瞬間風速25m/s以上と40m/s以上のおおよその目安を加えたものです。

分析の結果、停電が発生したエリアはおおよそ最大瞬間風速25m/s以上の地域となりました。また、特に停電が集中して発生したエリアでは最大瞬間風速40m/s以上を観測していました。千葉市の最大瞬間風速57.5m/sを筆頭に、千葉県内の広い範囲で記録的な暴風を観測。この暴風が送電網に影響をもたらしたと見られます。

台風進路の右側で顕著な被害

また、停電の報告は千葉県に集中していますが、台風の進路との関係で見てみると、進路付近と、進行方向のすぐ右側(東側)で被害が大きいこともわかります。

一般的に台風の進行方向の右側は風が特に強まりやすい(危険半円)とされますが、今回の停電被害状況においてもそれが顕著に現れた事例となりました。

40m/s以上の暴風予想時は長期停電に備えて

今後、台風接近時に同様の風速が予想される場合は、長期間の停電への備えが必要と言えそうです。今回影響が小さかった、あるいは無かった地域においても、この機会に今一度リスクに対して出来ることはないか検討していただければと思います。
なお、ウェザーニュースでは、事前に停電の可能性を予測した「停電リスク予測」を配信しておりました。今回の調査結果は本サービスの予測精度向上に反映してまいります。今後もウェザーニュースは皆様から寄せられた情報と気象データの分析を継続的に行い、気象災害を減らすべく日々の天気予報に生かしてまいります。

参考資料など

冒頭の画像:全てウェザーリポートより