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夏バテには2段階ある!? それぞれに適した対策とは

2019/08/22 05:57 ウェザーニュース

夏の暑さで食欲がわかない、疲れやすいなど夏バテを感じている人も多いのではないでしょうか。源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生、瀬戸佳子先生が「夏バテには2段階あり、それぞれにあった対策が必要です」と教えてくれました。

【レベル1】胃腸の不調

夏は、東洋医学でいうところの痰濁内阻(しつだくないそ)といって、消化不良による吐き気、胸やけ、食欲の低下、身体の水分代謝が落ちたことによるむくみ、頭痛などの症状が出ます。

「夏バテは、胃から始まります。気を付けたいのは飲食の不摂生。『冷たいもの』、『脂っこいもの』などは、東洋医学でいう“湿気”を溜めやすい食べ物になります。これらを摂り過ぎることで胃の調子を崩してしまうのです。特にかき氷、アイスクリーム、ビールなどを摂りすぎると胃の働きを弱めることがあります」(瀬戸先生)

夏バテ対策は食事の節制です。消化機能が落ちていると感じたら“湿気”を溜めやすい食べ物を避けましょう。

「胃の働きを高めてくれる香辛料や薬味、利尿作用のある豆類、ウリ科の食材を摂るのも効果的です。緑茶やハト麦茶などもいいでしょう。体が冷える場合は腹巻をしたり、ハンカチをお腹に当てるだけでも当座はしのげます。むくんでいるようであれば、朝夕の散歩や入浴などで汗をかくようにしてください」(瀬戸先生)

【レベル2】夏負け=体力が消耗

胃腸の不調がさらに進むと“夏負け”になります。夏は体温や脈拍を上げ、発汗して代謝を盛んにすることで身体は暑さに対応していますが、元々の体力を上回って代謝が上がりすぎると、体力を消耗してしまうのです。

「汗の原料は血しょう、つまり血なので、大量に汗をかくと『血を消耗した』状態になり、『気血』つまりエネルギーが不足して様々な不調に陥るのです。いつもの作業にひどい疲れを感じる場合は夏負けです。体力や気力がない、疲れやすい、息切れ、めまいや立ちくらみ、頭痛、貧血などの症状が出ます。特に貧血がある女性などは体調を壊しがちになります」(瀬戸先生)

夏負け対策としては、食事と休息をしっかりとること。食事は滋養のあるもの、特にタンパク質を意識して摂るといいといわれているのです。

「消化力が落ちている人は、脂肪分の少ない魚やお肉がいいでしょう。場合によってはおかゆ、にゅうめんなど消化が良く温かいものを摂ることで胃腸の調子を取り戻すことができます。一度に食事を摂れない場合は、分食してもかまいません。出かけるのは涼しい時間帯を選び、体力を温存する工夫をしてください。寝不足の方は短時間の昼寝もおススメです」(瀬戸先生)

夏の暑さはまだまだ続きます。自分の夏バテがどの段階か確認し、体調に合わせてしっかり対策しましょう。