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暑さだけが原因ではない!? 専門医がすすめる脇汗対策

2019/08/20 05:12 ウェザーニュース

暑い日が続くなか、「実は気になっている」という人が多いのが脇汗です。なぜ、脇にたくさん汗をかくのでしょうか? 脇汗の仕組みと対策を五味クリニック院長の五味常明先生に教えていただきました。

暑さだけが原因ではない!?

汗をかく第一の目的は、体温を下げることです。人は皮膚の近くにあるエクリン腺という汗腺で汗をかいて皮膚の上で蒸発させ、気化熱で体温を下げています。

「汗は暑さのなかでも体温を適切に保ち、大切な脳や内臓を守るために欠かせない機能です。脇は汗腺が多く、汗をかきやすい部位です。さらに、かいた汗が蒸発しにくいため、よけいに汗が気になってしまうのです」(五味先生)

さらに、脇汗にはもう一つの原因があります。

「脇汗に悩まされている人に多いのが、人と会うときや仕事など、緊張やストレスによりかいてしまう精神的発汗です。緊張するシーンで手のひらに汗をかくことがあると思いますが、それと同じですね。そして、汗によるシミや臭いなど心配するあまり、かえって汗をかいてしまうケースも多いのです。真面目で優しい人が悩んでいます」(五味先生)

なかには、自分がワキガではないかと心配している人もいるといいます。

「ワキガは、特殊な汗腺であるアポクリン腺の分泌液が原因です。脂質やたんぱく質、糖質など多彩な成分が含まれ臭いのもとともなります。ただ、脇汗を多くかくことをワキガと誤解している人も多いのです。

ワキガ体質かどうかは、耳を綿棒でこすったとき溶けたキャラメルのように湿った耳垢がつくことで見分けられます。耳垢が湿っている場合は中程度のワキガ体質の可能性があり、かさかさと乾いている場合はアポクリン腺が少ない、つまりワキガ体質ではありません」(五味先生)

専門医がすすめる4つの脇汗対策

(1)深呼吸をする


精神的発汗の対策として、深呼吸をするのが有効です。発汗は自律神経がコントロールしているので、深く呼吸してリラックスすることで、発汗を抑える効果が期待できます。

(2)自分に合ったデオドラント剤を使う


市販のデオドラント剤でポイントとなるのが、その成分の制汗剤と制菌剤です。脇汗が多い人は、制汗剤の入ったものを使います。脇にかいた汗はこもって蒸発しにくく、体温を下げる効果がほとんどないため、制汗剤で汗を止めても問題ありません(体温調節に大切な胸などは汗を止めないように)。

制菌剤は強さが様々なので、ワキガ体質なら塩化ベンザルコニウムなど強めの制菌剤を使った直塗りタイプを選ぶなど、自分に合ったものを選びましょう。

(3)脇パッドを使う


服の脇が汗ジミになることが心配な人は、パッドを使ってもよいでしょう。しかし、パッドをつけていることで汗を意識して、かえって精神的発汗につながってしまうこともあります。「パッドをつけてるから安心」と思うことが大切です。

(4)「汗をかこう!」と考える


汗をかくまいと意識すればするほど精神的発汗につながりやすいのですが、逆に「汗をかこう」と考えても汗はかけるものではありません。実は、開き直ってしまった方が、脇汗をかきにくくなるといいます。

まだまだ暑い日が続きます。汗を気にしなくてもよい爽やかな毎日を送るためにも、ここで紹介した対策を実践してみてはいかがでしょうか。