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台風10号は迷走か 進路の鍵を握るのは“太平洋高気圧”

2019/08/07 15:35 ウェザーニュース

日本の南にある台風10号は、今後も北上する予想ではあるものの、来週以降の予想進路は定まっていない状況です。

10号 最西で四国、最東で関東の東海上へ

台風10号 世界予想モデル

台風10号は、明日8日(木)には強い勢力、10日(土)には非常に強い勢力となって小笠原諸島にかなり近づきます。

ただし、その先の進路はまだ定まっておらず、気象庁による台風情報を見ると、12日(月)9時時点の予報円の「半径」は600kmとなっています。

予報円とは台風の中心が到達すると予想される範囲で、予報した時刻にこの円内に台風の中心が入る確率は70%とされています。週明け月曜日に予想される台風の中心位置は、最大で1200kmのズレがあることになります。
(ちなみに東京から鹿児島までの直線距離が約960km)

世界各国の気象予想モデルを見てみると、最も西側のコースをたどった場合は四国の南の海上、最も東側のコースをたどった場合は関東の東海上に向かう予想となっています。
現時点で台風の進路がそれだけ不確実であるということが分かります。

台風の進路に影響を与える要因の一つは太平洋高気圧です。

進路の鍵を握るのは「太平洋高気圧」

高気圧が強い時の台風進路(イメージ)

高気圧が強い場合 停滞または西側へ

本州付近に太平洋高気圧が張り出していると、台風は本州に近づくことができません。そのため、本州の南の海上で停滞、もしくは太平洋高気圧の縁を周って西側へ進む傾向があります。
高気圧が弱い時の台風進路(イメージ)

高気圧が弱い場合 北上または東側へ

一方、太平洋高気圧が本州付近に張り出していない場合、台風はそのまま北上、または上空の西風に流されて東側に進む傾向があります。

今回、台風10号の進路が定まらないのは、気象予想モデルによって計算する太平洋高気圧の位置や強さが大きく異なっているためです。

時間が経つにつれて気象予測モデルの計算は揃ってくる傾向があります。台風の進路によってお盆期間のスケジュールに影響が出る恐れもあるので、こまめに最新の情報を確認してください。

» ウェザーニュース 台風情報

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風10号のクローサ(Krosa)は、カンボジアが提案した名称で「鶴」です。