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夏バテ対策 薬味の毒消し効果とは

2019/08/11 09:43 ウェザーニュース

厳しい暑さが続き、夏バテ気味の人も多いのではないでしょうか。そんな時、普段の食事に加えたいのが薬味の数々。

「例えばお寿司に添えられているワサビやガリ(しょうが)。殺菌効果だけでなく、生ものを食べてお腹にたまった湿気や冷えを取ってくれる効果もあります」と語るのは源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生(国際中医薬膳師)です。夏バテ回避につながる薬味の具体的な効能を伺いました。

食材ごとの効能は!?

夏バテは、高い湿気、冷房、冷たいものなどの影響で胃腸が弱ることで起こります。そこで昔の人は、殺菌作用を持ち、湿気や冷えを取ってくれる薬味を「毒消し」として重宝し、夏バテを予防してきました。今回は、食材ごとにその効用をご紹介します。
【ワサビ】殺菌、解毒作用・食欲増進・鼻づまり対策
防腐・解毒効果とともに、胃腸を温め、消化をサポートしてくれる効能があるので、冷えによる食欲不振によく効きます。また、香り成分が巡りを良くし、鼻づまりなどにも良いです。摂りすぎると炎症を引き起こしたり、胃を痛めたりするので、あくまで薬味程度にしましょう。

【シソ】冷え対策・食欲増進・解毒作用
巡りを良くし、胃の働きを回復させます。お腹を温めてくれる作用があるので、胃腸が冷えやすい人は、夏野菜など体を冷やす食べ物を食べるときは一緒にシソも取っておくと良いでしょう。また、夏バテなどの食欲不振にも良いとされ、魚やカニに対する解毒作用が優れています。

【ミョウガ】食欲増進・冷え対策
よく食べる部分は、ミョウガの花の部分で、巡りを良くし、食欲を増進させる効果を持ちます。またお腹や体を温め、血流をよくする作用もあるので、お腹が冷えやすい人や冷たいものの摂り過ぎで食欲不振になった場合に良いです。

【ウメ(梅干し)】喉の渇きをとめる・解毒作用
熱を取り、口の渇きを癒し、鬱滞したものを取り除くとされます。疲労回復効果もあり、夏の暑気あたり予防になります。江戸時代から「一切の食毒・魚毒を解する」とされているほど、食中毒予防にも優れた作用があるので、夏の食卓には欠かせないものでしょう。

【ネギ】消化を促す(アサツキ)、冷え対策・解毒作用(青葱、万能葱、九条葱)
細身のネギである浅葱(アサツキ)は食べ物が上手に消化器官を移動できるよう促し、消化不良を解消するとされます。お腹を温めたり、冷えを取る作用もあるので、夏場に疲れた胃腸の働きを助けてくれます。

また青葱、万能葱、九条葱などの青ネギも、冬場が旬の白ネギ(長ネギ)ほどではないものの体を温め、冷えからくる風邪に効きます。また腫れ物などの解毒作用もあります。

【大根おろし】消化を促す、解毒作用
生の大根は、消化不良を解消する作用に優れています。特に、食べた後にゲップが出やすい人におすすめ。穀物の消化を助ける力が強いので、うどんや餅などと一緒に食べると良いでしょう。また魚の毒を消す作用もあるので、焼き魚の大根おろしや刺身のツマもおすすめです。

【ショウガ】吐き気を止める・食欲増進・解毒作用・冷え対策
体を温める作用を持ち、冷たいものの摂りすぎによる食欲不振を予防し、冷えからくる嘔吐にも効果があるとされています。また、食べ物、特にカニの解毒作用にも優れています。

ショウガは加熱することで体を温める作用が強くなります。ただし、こちらも摂りすぎると炎症を引き起こしたり、胃を痛めたりするので、あくまで薬味程度にとどめましょう。


ふだんは何気なく食べていることが多い薬味ですが、実は多くの秘められた効果を持っています。今年の夏は意識して摂ってみましょう。