九州北部に雨雲が停滞
激しい雨降り続き災害発生のおそれ
2019/07/21 07:31 ウェザーニュース
今日7月21日(日)朝は、特に九州北部で雨が強く降っています。佐賀県から福岡県に活発な雨雲が停滞していて、激しい雨が降り続き災害発生の危険性が高まっています。
浸水や川の氾濫、土砂災害に警戒
雨雲レーダー
活発な雨雲のもとでは雷を伴って激しい雨が降っていて、福岡県久留米市では1時間に90.0mmの猛烈な雨を、佐賀県鳥栖市では1時間に81.5mmの猛烈な雨を観測し、それぞれ観測史上1位の値を更新しました。
地形や風向き次第では、数時間にわたって局地的に激しい雨が降り続けて災害級の大雨となるおそれもあります。今日いっぱいは九州のどこかで激しい雨が続くおそれがあるため、低地の浸水や河川の増水・氾濫、土砂災害等に警戒してください。
雨雲レーダーなどで雨雲の動向に注意し、早めに安全な場所へ避難するようにしてください。
深夜以降、広島なども大雨に警戒
明日21日(日)にかけては、九州や中国地方、四国地方で激しい雨が降るおそれがあります。
特に未明から朝にかけては、広島県や山口県でバックビルディング型の線状降水帯が発生する可能性もあり、数時間にわたって局地的に激しい雨が降り続けて、大雨となるおそれもあります。低地の浸水や河川の増水・氾濫、土砂災害等の危険性が高まります。雨雲レーダーなどで雨雲の動向に注意し、早めに安全な場所へ避難するようにしてください。
台風から離れていても油断をせず、随時最新の気象情報や避難情報を確認するよう心がけてください。
バックビルディング現象とは
バックビルディング現象とは、ある場所で積乱雲が発生し続け、上空の風に流されて積乱雲が線状に連なり、同じ場所で強い雨を降らせる現象です。
広島県内では近年にも、昨年の「平成30年7月豪雨」や2014年の「平成26年8月豪雨(広島土砂災害)」で大きな被害が出ています。
明日の朝も、
・日本海側に停滞する前線に向かって湿った南風が吹き、豊後水道を抜けた先の広島県と山口県の県境付近の丘陵部で積乱雲が発生
・上空1500m付近を南西風が吹き、発生した積乱雲をさらに発達させながら北東方向へ運ぶ
という点が、「平成26年8月豪雨」に類似しています。
災害発生に至るかどうかはまだ不確実性が伴うものの、十分な警戒が必要と考えられます。雨が降る時間は暗く迅速な避難は難しい時間帯ですので、自治体の避難情報をこまめに確認し、斜面から遠く高い階で過ごすなど可能な限りの対策を講じてください。