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記録的な日照不足で値上がりした野菜、値下がりした野菜

2019/07/21 12:43 ウェザーニュース

梅雨とはいえ極端な日照不足と低温の影響は、プールや海水浴場の客足減、ビールや清涼飲料水の売上減、夏物衣料の販売減など、さまざまなところに出ています。
野菜については一部で値上がりしていますが、逆に値下がりしている野菜も少なくないのです。

日照時間が1〜2割の地域も

7月1日から18日までの日照時間は、東京が9.6時間(平年の13%)、前橋が13.5時間(同19%)、横浜が23.3時間(同32%)と関東地方を中心に極端に少ないのです。

降水量と気温についても、7月1日〜18日の東京の降水量は159.0mm(平年の153%)、平均気温は21.8℃(平年より2.4℃低い)と雨が多く気温が低いことがわかります。このような天候が野菜の価格にどう影響しているのでしょうか。

ナスやキュウリは値上がり

野菜の価格変動を日農INDEXでみます。これは日本農業新聞社が東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・福岡の7青果市場の大手卸7社のデータをもとに独自に算出したもので、毎日の青果の中心価格がひと目でわかります。

それによると日照不足と低温の影響を受けやすいナスは46%高、キュウリは21%高、ピーマンは16%高と値上がりしています。いずれも生育が悪く出荷量が減ったことが原因です。夏が旬の野菜で消費量が多いだけに家計への負担感は小さくないようです。

大根、レタス、玉ネギは安値

一方で値下がりした野菜もあります。レタスは20%安、大根は21%安、玉ネギは34%安です。大根は冬が旬の根菜なので寒さに強く低温の影響を受けにくいのです。レタスも主力産地は標高が高く寒冷な土地なので低温に強いのです。また、低い気温が続いて生食用の需要が落ちていることも安値につながっているようです。

大きく値を下げている玉ネギの場合は、全国の生産量の約55%を占めている北海道は梅雨がなく、6月下旬に各地で30℃を超える気温を記録するなど農産物の生育に恵まれました。

たしかに一部の野菜は日照不足と低温で値上がりしていますが、そんな天候だからこそ収量が上がり、お買い得な野菜もあるのです。

参考資料など

写真:ウェザーリポート by ダンクロさん