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殺虫剤が効かないスーパーゴキブリの駆除法は?

2019/07/19 06:55 ウェザーニュース

梅雨も終盤に差しかかり徐々に気温も高くなってきました。暑くなる7〜8月にかけてはゴキブリが最も活発に動き回る時期です。

「ゴキブリを見つけたらどう対処する?」というアンケートをウェザーニュースで実施したところ、「殺虫剤で倒す」という回答が52%ともっとも多く、以下は「新聞紙などたたく」(30%)、「その他」(11%)という結果でした。

ちなみに「その他」と答えた人は「液体洗剤をかける」「掃除機ですう」「外へ逃がす」などの方法で対処しているようです。また、一人では対処できないからか、「見なかったことにする(放置する)」というコメントも見られました。

殺虫剤の回答が過半数を超え、多くの人が利用していますが、実は殺虫剤が効かないスーパーゴキブリがいることを知っていますか。普通なら致命的なくらいの薬剤を浴びても、それに耐えて生き残るゴキブリのことで、とくに大都市で増える傾向にあるといいます。どうしたら駆除できるのでしょうか。

駆除に生き残って薬剤耐性を持つ

「ゴキブリの中でも小型(成虫で10〜15mm)のチャバネゴキブリは飲食店などに多く、そうした営業店では薬剤を使って定期的に駆除を行っています。駆除の際に生き残った個体(薬剤耐性がある個体)が子孫を残し、どんどん耐性を強めた結果、抵抗性チャバネゴキブリになったと考えられます」と語るのはアース製薬・虫ケア用品ブランドマネージャーの北口明宏さんです。

ちなみに、住宅に出没することが多いクロゴキブリやワモンゴキブリに、薬剤耐性があるものはまだ確認されていないそうです。

強力な殺虫剤なら有効

殺虫剤が効かないのなら駆除はどうしたらよいのでしょうか。

「抵抗性チャバネゴキブリといっても、生き残るのは、薬剤のかかりが不十分な時なので、見かけた際は直接エアゾール剤を噴射して頂ければ、しっかり駆除できます」(北口さん)

アース製薬の研究所では抵抗性チャバネゴキブリを飼育していて、自社製品の効き目を試しているそうです。ほかの製品もスーパーゴキブリに効くのでしょうか。

「くん煙剤で駆除する場合は、抵抗性チャバネゴキブリにも効き目が強い3種の有効成分を配合した総合害虫駆除タイプのくん煙剤もご用意しております」(北口さん)

飲食店のゴキブリ駆除にも強力なくん煙剤が使われているそうです。

「毒餌剤(どくえざい)といって、毒性のある餌を食べたゴキブリが巣に戻ってから絶命し、その死骸を食べた仲間のゴキブリも死んで巣を全滅させる製品もあります。これは有効成分の作用機序が異なるため、抵抗性チャバネゴキブリにも有効です」(北口さん)

また、粘着剤でゴキブリを捕まえる捕獲器は、薬剤を使っていないので薬剤耐性を持っているゴキブリにも有効だそうです。