・エアコンが好き、運動の習慣がない
エアコンを多用するなど汗をかく機会が少ない人は、汗腺機能が低下していることが多いです。いざ汗をかくと、成分の濃いベタついた汗になり、雑菌が繁殖して臭いのもととなります。改善には、お風呂での汗腺トレーニングや適度な運動など汗をかく習慣が役立ちます。
・肥満気味である
太っていると脂肪が断熱材となって熱がこもり汗をかきやすくなります。また、脂肪細胞そのものが肥大して脂肪酸の分泌が増え、体臭がきつくなります。
・食事が肉や高脂肪のもの中心
たんぱく質は分解されるときアンモニアなどが発生し、臭いのもととなります。また、脂肪も加齢臭や皮脂臭を強くする原因です。抗酸化力の強い野菜や海藻、大豆製品など、バランスよく食べるのが、体臭を抑えることにつながります。
・偏食ダイエットをしている
肉類ばかり食べる極端な糖質制限ダイエットでは、アンモニアが発生するだけでなく、血液中に果物がくさったような臭いのケトン体が増え、体臭がきつくなります。いわゆるダイエット臭です。
・便秘気味である
人の腸内では、多種多様な細菌が複雑に関係しながら働いています。このバランスが崩れると腸内で悪臭が発生しやすくなるのです。臭い物質は腸内から吸収され、汗や皮膚ガスとしても発散されます。
・いつもストレスを感じている
ストレスは活性酸素を増やして皮脂を酸化させ、加齢臭のもとになるノネナールが増えます。最近の研究では、ストレスにより臭い物質のジメチルトリスルフィドやアリルメルカプタンが増え、硫黄に似た臭いが発生することが報告されています。自分の体臭を嗅げば、さらにストレスにもなります。
・よく眠れないことが多い
ストレスから眠れなくなっている人は、疲労臭が強くなります。悪い寝汗をかいて臭くなることもあります。
・耳あかが湿っている
耳あかが溶けたキャラメルのように湿っていることがあります。これは耳垢腺(じこうせん)からの分泌物によります。耳垢腺は、アポクリン腺の類似汗腺なため、アポクリン腺が多いことが推測されます。アポクリン腺は主にわきの下に分布する特殊な汗腺で、その分泌液は粘りがあり、いわゆる腋臭(わきが臭)のもととなります。
・糖尿病などの慢性疾患がある
糖尿病では血液中に臭いのもととなるケトン体が増えるなど、慢性疾患があることで体臭がきつくなることもあります。
体臭を強くする理由はさまざまなのですね。
「体臭の変化は、健康状態の悪化サインの場合もあるので、無視してよいものではありません。基本的なこととして、体を清潔に保つことも大切です。ただし、体臭で悩む人の多くが優しく真面目な人です。体臭を気にすることが強いストレスとなったり、精神的発汗につながることもあるので、あまり気にし過ぎないように」と五味先生はアドバイスします。
偏った食事やストレスも臭いの原因になります。食生活を見直し、適度な運動で汗をかく習慣を身につけることがポイントになるようです。体臭が気になる人は、少しずつ改善していきましょう。