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地域で違う今年の梅雨 西は水不足、東は記録的な長雨

2019/07/22 11:50 ウェザーニュース

7月に入りましたが、例年であれば梅雨本番を迎える頃です。
今年は九州で大雨が降るなど、すでに梅雨前線が大暴れしていますが、実際はどう感じているのか独自で調査を実施。「今年の梅雨で困っていること」をうかがったところ、エリアごとに様々な特徴が見られました。

西は少雨で水不足、東は長雨で洗濯物

2019年7月7日〜8日に実施 8541人が回答

水不足が心配 九州北部や中国など

梅雨入りが過去最も遅くなった九州北部や中国、四国地方からは「水不足が心配」という回答が多くなりました。特に、先月13年ぶりの渇水対策本部が設置された福岡県は、60%以上の人が水不足の心配をしています。

日差しが恋しい東海、関東、東北南部

東海、関東、東北北部の太平洋側にかけては「洗濯物が乾かない」という回答が最も多くなりました。東京、神奈川、千葉、埼玉などは60%前後に達しています。

また、先日大雨となった九州南部や四国などでは、「大雨が心配」という回答が多数派となりました。

気象データに見る少雨と長雨

ダムの貯水率マップ 8日15時現在
最近20日間の雨量は山口県宇部市で平年の9%、広島市で16%、福岡市で18%にとどまっていて、ほとんど雨が降っていません。この結果、福岡市の水がめ8ダムの平均貯水率は8日12時現在で22.8%と平年より約66ポイント低くなっていて、雨が待たれる状況です。

一方、東京では6月27日以降、毎日雨が降り、7日までの日照時間の合計は6.5時間(平年比16%)しかありません。
同じようなことは仙台や名古屋にも当てはまり、雨続きで日差しも乏しい天候が続いています。

このような日差しが少なくて、雨が多いという関東の典型的な梅雨はここ最近ではめずらしく、前回は2015年、その前は2009年以来です。

原因はどちらも高気圧

今年の梅雨の概念図
エリアによって顕著な少雨・長雨。原因は、オホーツク海高気圧が強く、太平洋高気圧が弱いことです。

オホーツク海高気圧から吹き出す風は冷たく湿っていて、これが流れ込む関東や東北太平洋側に曇りや雨をもたらします。特に7月に入ってからこの高気圧が強まっていて、日照不足をもたらしています。

もう一つの太平洋高気圧は、例年6月になると勢力を強め、梅雨前線を西日本付近に押し上げます。ただ、今年は高気圧の勢力が西側で弱い状態が続いていて、前線が北上する機会が少なくなっています。その結果、梅雨入りが遅れたうえ、雨も少なくなっているのです。