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衛星画像から見る熱帯低気圧 日本に接近中に台風への発達は?

2019/06/27 15:48 ウェザーニュース

今日27日(木)12時の段階で、九州の南の海上にある熱帯低気圧は北上を続け、日本列島に接近中です。今夜から明日の朝にかけて、西日本から東日本の太平洋側では、大雨に警戒が必要です。

気象庁からは、接近中の熱帯低気圧が今夜までに台風になると発表されています。

現在の雲の様子をひまわり8号で見ると、今回の熱帯低気圧にはいくつかの特徴が確認できます。

活発な雲は中心の東側だけに

NICT ひまわり8号リアルタイムwebより
衛星画像に映る台風の雲といえば、真っ白で渦を巻いた雲の印象があると思います。

ただ、今日27日(木)12時の衛星可視画像を見ると、白くはっきりと映る、活発な対流活動に伴う雲は、中心の東側にしか見られません。

これは、熱帯低気圧や台風特有の空気の循環が形成されておらず、中心を丸く囲うような雲を作ることができないような状況です。

前線のような雲も見える

NICT ひまわり8号リアルタイムwebより
また、衛星画像を見ると、熱帯低気圧の中心の右側から前線のような形で南へ雲の帯が伸びています。

今回の熱帯低気圧では、中心の東側で強い風が吹いており、ここでは南北方向の温度差が大きくなっている状況です。
そのため、前線に似たような雲が発生していると考えられます。

難しい温帯低気圧と熱帯低気圧の判別

台風・熱帯低気圧・温帯低気圧の区別
台風と熱帯低気圧は中心付近の風速によって、明確に定義が分けられています。

ただ、温帯低気圧と熱帯低気圧についての違いは、その構造によるものであるため、特に熱帯低気圧から温帯低気圧に変化しようとしている間では、区別が非常に難しいところがあります。
そのため、今回の熱帯低気圧は今夜にかけて、

 ・熱帯低気圧としての特徴を持ったまま、風が強まって台風に発達
 ・温帯低気圧としての特徴が強まり、台風にならない

という、両方の可能性がある状況です。

ウェザーニュースとしても、温帯低気圧となって日本に近づく可能性もあると見ています。
>>ウェザーニュースの詳しい見解はコチラ

台風でも低気圧でも、十分に警戒を

台風になったとしても、温帯低気圧になったとしても、雨の強さに関しては変わりがありません。

近畿から関東にかけての太平洋側では1時間に30mm~50mmの激しい雨となるおそれがあります。警戒は緩めないでください。
>>この先の雨の予想