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令和初の台風は発生する? 各国気象モデルを徹底分析

2019/06/26 18:46 ウェザーニュース

26日(水)15時時点で沖縄のすぐ南にある熱帯低気圧は、発達して今後台風になる可能性があります。

27日(木)には西日本の太平洋側に接近する予想で、広い範囲で大雨に警戒が必要です。

令和初の台風発生の可能性

気象庁によると26日(水)15時現在、熱帯低気圧が沖縄の南海上にあって、時速25kmの速さで北に進んでいます。

中心気圧は1004hPa、最大風速は15m/sで、今後やや発達しながら北上する予想です。27日15時には最大風速18m/sと台風となり、宮崎市の東約60kmを中心とする半径150kmの範囲に進む予想です。

台風になった場合、2019年の台風3号になると同時に「令和初」の台風となります。

台風と温帯低気圧

しかし、この熱帯低気圧が前線に取り込まれてしまうと、構造が変化するため、たとえ発達しても台風ではなく「温帯低気圧」となります。

台風として接近するか 各国予測モデル比較

台風となるのか、そして日本に接近してくるのか。海外の予測モデルも合わせて検討すると、2つのシナリオが考えられます。

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◆シナリオA:日本の気象庁の予測モデルなど
台風として、日本に接近・上陸

◆シナリオB:ヨーロッパの予測モデルなど
北上しながら前線と一体化し温帯低気圧になる
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今回の熱帯低気圧は、コースについては気象庁、海外モデルとも大きな違いはなく、西日本の太平洋側にかなり接近する予想です。


一方、台風になるかならないかは、気象予測モデルごとに見解が分かれています。

前提として、台風として来るかは前線の位置が重要で、熱帯低気圧が前線と一体化した場合は、台風ではなく「温帯低気圧」となります。

気象庁は日本海に前線を解析しているため、前線に取り込まれず台風のまま接近する予想しています。一方、ヨーロッパなどの気象予測モデルでは、西・東日本の太平洋側にも前線ができ、低気圧が前線に取り込まれて温帯低気圧になると予想しているものがあります。

今回、ウェザーニュースとしては、後者のシナリオの台風にならず熱帯低気圧が前線に取り込まれ、温帯低気圧になる可能性もあると見ています。

台風でも低気圧でも大雨に警戒を

もし台風にならなかった場合でも、日本付近には熱帯生まれの非常に湿った空気が流れ込みます。

前線活動が活発化するため西・東日本の太平洋側を中心に大雨に対して警戒が必要です。

特に雨量が多くなるのは九州南東部や四国で、27日にかけての雨量が山沿いを中心に多いところで200mm以上に達する予想です。

強い雨の範囲は27日午後には東日本太平洋側にも拡大し、静岡県では総雨量が150mmを超える大雨となりそうです。

土砂災害や河川の増水などに警戒が必要です。