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足だけじゃない 上半身にできる「新型水虫」とは

2019/06/16 11:49 ウェザーニュース

梅雨から夏は水虫の活動期。足の水虫に悩まされている人もいるかと思いますが、頭や首筋など上半身にできる「新型水虫」をご存知ですか?

湿疹と間違えやすい

「新型水虫(体部白癬・たいぶはくせん)の患者さんの中には、湿疹だと思って市販薬を塗っていたけれど、よくならないので来ました、という人が少なくありません」と語るのは、武里外科脳神経外科(埼玉県春日部市)の皮膚科医師、遠藤光子さんです。
従来の水虫は足に発症しますが、新型水虫は頭や首筋など上半身に発症します。頭にできるとカサブタ状になり、首筋などにできると赤く腫れ上がります。かゆみがないため湿疹と間違え、市販薬で治療を続けると、かえって悪化するそうです。

中南米原産の白癬菌(はくせんきん)

新型水虫は、中南米原産のトリコフィトン・トンズランス菌という白癬菌による皮膚感染症です。「トンズランス」とは、キリスト教の修道士が頭のてっぺんを丸く剃る習慣「トンスラ」が語源で、頭にできた新型水虫で頭髪が抜けて禿げることから命名されたそうです。

「皮膚接触で感染するため、柔道やレスリングなど格闘技をする人の間で感染が広がりましたが、今では格闘技をやらない人や女性にも新型水虫の感染が見られ、一般的な水虫と同じように梅雨から夏にかけて発症する人が多いです」(遠藤さん)

根気よく治療すれば治る

新型水虫の原因は白癬菌なので、通常の水虫の治療に使う抗白癬剤(液、クリームなど)で治療します。重症化すると抗白癬剤では手に負えないため、爪水虫の治療に使う内服薬を使います。最近、副作用が少ない内服薬の新薬が登場したそうです。

「足の水虫と同じで、新型水虫も治療を開始したのに、なかなかよくならないので途中でやめる人もいます。しかし、根気よく、ていねいに治療を続ければ、新型水虫は必ず治ります」(遠藤さん)