夏の消火活動は暑さとの戦い
「夏は出場指令がかかり、防火装備を身につけ、消防車に乗るだけでも汗をかきます。とくに現場にいち早く到着する消防隊(先着隊)ほど重度の活動を強いられます。もし隊員が熱中症で倒れたら、その後の現場活動に影響を及ぼすことになるので対策は欠かせません」と言うのは、横浜市消防局警防課の猪狩正三対策係長です。
訓練を通して行う暑熱順化
そこで消防隊員が通常の訓練を通して行っているのが暑熱順化です。暑熱順化とは夏の暑さに体を順応させるという意味で、気温が上昇してくる5月頃から夏の盛りにかけて行われます。
「特別なプログラムがあるわけではなく、年間を通して行われる消防訓練や救助訓練を、気温が高くなる時期から行います。汗をかくことで体温調整を行い、暑さに適応する体がつくられると考えています」(猪狩係長)
たとえば、火災を想定した訓練は「完全防火着装」で実施します。防火帽(ヘルメット)に防火衣、防火靴、防火ズボン、防火手袋を装着しただけで重量は約7kg、これに空気呼吸器(空気ボンベにマスク、約9kg)を着けると約16kgになり、さらに消防ホース1本(65mm径、約8kg)を持つと20kgを超えます。この重装備で走ることもあるのですから、消防隊員の熱中症対策は不可欠です。
「特別なプログラムがあるわけではなく、年間を通して行われる消防訓練や救助訓練を、気温が高くなる時期から行います。汗をかくことで体温調整を行い、暑さに適応する体がつくられると考えています」(猪狩係長)
たとえば、火災を想定した訓練は「完全防火着装」で実施します。防火帽(ヘルメット)に防火衣、防火靴、防火ズボン、防火手袋を装着しただけで重量は約7kg、これに空気呼吸器(空気ボンベにマスク、約9kg)を着けると約16kgになり、さらに消防ホース1本(65mm径、約8kg)を持つと20kgを超えます。この重装備で走ることもあるのですから、消防隊員の熱中症対策は不可欠です。
夏季の現場はクーリングが効果的
横浜市消防局は昨年7月、活動隊員にかかる身体的負担等を把握し、今後の熱中症対策に反映させることを目的に、気温が35℃を超える中で、通気が全くない化学防護服を着装した状態での検証訓練を行いました。
「結果は、水分補給や休憩とは別に、隊員の体温を下げることがポイントで、水槽に隊員を入水させることで短時間に冷却する方法(クーリング)が最も効果的であることが確認されました。そのため、夏季に重度の活動を強いられる災害現場でもクーリングの対応を図りました」(猪狩係長)
「結果は、水分補給や休憩とは別に、隊員の体温を下げることがポイントで、水槽に隊員を入水させることで短時間に冷却する方法(クーリング)が最も効果的であることが確認されました。そのため、夏季に重度の活動を強いられる災害現場でもクーリングの対応を図りました」(猪狩係長)
汗をかける体にすること
今の時期に行う暑熱順化のポイントは汗をかける体にすることです。私たちも熱中症に負けない体をつくるために、ウォーキングやジョギング、あるいは湯船に浸かるなどして、暑熱順化をしてみませんか。