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あなたは知ってる?本当のあじさいの"花"

2019/05/24 11:35 ウェザーニュース

まもなくやってくる雨の季節に、色とりどりの花を咲かせる“あじさい”。種類もたくさんあり、梅雨のぼんやりとした景観に、彩りを与えてくれますね。

ところで、あじさいの花はいつ”咲く”か知っていますか?
梅雨の花なので、多くの方が5月下旬〜6月のイメージは持っていらっしゃると思いますが、何をもって“咲いた”とするのでしょうか?

本当の花はこんなに小さかった!

2016年 群馬県
実は花のように見えるものは“装飾花”と呼ばれ、『ガク片』が変化したものなのです。あじさいの本当の花『真花』は、上のリポート写真でいう、中央に集合しているごく小さなところになります。

言われてみれば、小さい粒のようなものがあったな〜と思った方もいるのではないでしょうか?

この小さな真花は、よく見るとつぼみの状態と開花している状態がはっきりとわかります。

あじさいの開花

2016年 千葉県/2016年 山形県
上の写真を見比べると、真花の開花の様子がよくわかります。
左のあじさいは、破線で囲んだ2つがちょうど開花しようとしています。その他はまだつぼみです。
一方で右のあじさいは、まるで囲まなくてもたくさんの真花が開花しているのがわかります。

ちなみに、気象庁が扱う『あじさいの開花日』とは、標本木とするあじさいの、まさしくこの真花が2~3輪咲いた状態となった最初の日を指します。

手毬状のあじさいの真花は中に…

2016年 千葉県
真花が中心に集まっているガクアジサイはわかりやすいのですが、丸い形をしたあじさいの真花はどこにあるのでしょうか?

答えは写真にある通り(とはいってもちょっとわかりづらいですが…)。装飾花をかき分けると中にちゃんと真花があるんですね!

ガクの真ん中は何?

最後に、もうひとつの疑問。
ガクの中心のポチッとしたものは何でしょう?

こちらも花なのですが、これは咲いたり咲かなかったり。
また、真花はちゃんと雄しべと雌しべがある両性花なのに対し、装飾花は雄しべも雌しべも退化している中性花。つまり、咲いたとしても雄しべと雌しべがなかったりするのです。

う〜ん、あじさいってなかなか謎をお持ちです。そんなミステリアスな所も魅力のひとつなのでしょうか。
色とりどりのあじさいは、眺めているだけで和みますが、“花”にも注目してみると、より味わい深くなるかもしれません(^^)

参考資料など

【取材協力】
財団法人 日本花の会 和田博幸さん
【写真】
ウェザーリポート by NICO♪さん、ヤポンヌさん、山形市の「ひろ」さん、くまさん