facebook line twitter mail

「天日干し」だけでは不十分!? ダニを完全退治するためには?

2019/05/19 04:42 ウェザーニュース

ダニは噛んだり、感染症を媒介したり、アレルギーの原因にもなります。そのダニが大好きな場所といえばふかふかの布団。その布団の掃除といえば、干して叩くものと考えていた方が多いのではないでしょうか。

アース製薬が実施した調査によると、「布団を天日干しすれば、生きたダニは駆除できる」と考えている人が50%を超えていました。

しかし、先日配信したダニ対策記事でも紹介しましたが、布団たたきと天日干しだけではダニ対策にはならないのです。

天日干し・布団たたきの効果

天日干しをしてある程度乾燥させれば、布団がふかふかになるという利点はあります。しかし、ダニ対策を呼びかけている環境再生保全機構によれば、これでダニが死滅するわけではないといいます。ダニは温度が20〜30℃、湿度が60〜80%の状態を好みますが、天日干しをしただけでは、ダニは痛くも痒くもないのです。

また、布団たたきは布団に溜まったホコリを払うことはできますが、ダニは布団の繊維にしがみついているため、なかなか振り払うことができません。むしろ、ダニの死骸が布団の表面に浮き上がってしまい、アレルギーを引き起こすアレルゲンを吸い込みやすくなってしまいます。

効果的な掃除方法は?

基本的な対策は、温度、湿度ともにダニが苦手とする環境を作ることです。ダニ対策に詳しい兵庫県西宮市環境衛生課の中田浩二さんによると、「ダニが死滅する環境は、温度50℃以上」です。では、具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか。

前述の中田さんは「布団に繁殖してしまったダニの対策には、布団乾燥機や衣類乾燥機を使います。乾燥機を使えばダニの繁殖を抑え、ダニに噛まれたりすることを防げます」と指摘した上で布団乾燥機の効果的な使用法を教えてくれました。

「乾燥させたい布団を他の布団で覆うことで、すみずみまで50℃以上の熱をかけられるので、布団内のダニを死滅させることができます」(中田さん)

ただし、布団乾燥機も衣類乾燥機も布団を温めてダニを駆除するので、高温に弱い素材(ウールやカシミヤなど)は生地が傷んでしまう恐れがあります。事前に布団の素材をチェックするなど、注意しましょう。

また、乾燥機でダニを死滅させてもその死骸が布団内に残ったままになってしまいます。その場合は、布団たたきではなく掃除機で死骸を吸い取りましょう。1平方メートルあたり20秒ほどかけて、表と裏の両方から丁寧に吸い取ると、ダニの死骸を効果的に除去することができます。

ダニが気になり始める季節です。弱点をついた効果的なダニ対策として、覚えておきたいですね。

参考資料など

独立行政法人環境再生保全機構「ダニ対策の実践(2009年)」/アース製薬株式会社「『天日干しすれば大丈夫』は大間違い!8割の人が、正しいダニ知識と対策を知らなかった!~適切な対策を知って、快適な生活を~」/日革研究所「ダニNAVI」(http://nikkaku-j.com/category/countermeasure)