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今の時期、景色が霞むのは「春」特有の現象だった

2019/05/15 10:46 ウェザーニュース

春になるとポカポカ陽気となって体感にも季節の歩みを感じられますが、景色にも変化が出てきます。
この時期遠くの方の景色がぼんやりしている事がありませんか?
そう、景色が”霞んで”見えることなんです。なぜ霞むのか解説していきます。

『空気のフタ』ができ、地上を覆う

高気圧に覆われると上空から地上に向けて下降気流が発生します(これは、地上で体感できる風ではありません)。下降気流がしっかりすればするほど、大気中に“逆転層”というものが発生します。
この逆転層は空気の蓋(ふた)と呼ばれており、まさに地上を覆う蓋の役目をします。

そのため、地上付近にあるチリやホコリ、水滴は上空高くにまで舞い上がることは出来ず、地上付近に漂います。

さらに春は冬に比べて日射が強まるため、上昇気流も強くなります。地上のちり、埃は巻き上げられやすくなります。上空にたまったチリ・ホコリによって太陽の光が色々と散乱されてしまい、空が霞んで見えるのです。

水蒸気も増えてきます。水蒸気は目に見えませんが、それが凝結して、空気中に水滴として存在すると、空は白っぽくなります。

『黄砂』がやってくる時期

春は黄砂もやって来ます。高気圧の前にやって来た低気圧が、中国の砂漠で砂を巻き上げ、それが風に乗って日本にやって来るためです。

そのため、発達した低気圧が通過した後は、黄砂による空の霞みも良く起こる時期になります。
春は冬のようにスカッときれいな青空はあまり望めませんが、「春霞」という言葉もあるくらい、「霞」は昔から春をあらわすもの。

ふと窓の外を見た時に、よく見る景色の変化にも季節を感じてみて下さい。