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「五月病」対策 連休明けの過ごし方は?

2019/05/09 06:36 ウェザーニュース

長い10連休が明けました。しかし、日常生活を回復するのが難しかったら「五月病」かもしれません。4月に新年度を迎えて、社会人なら入社や昇進、学生なら入学や進級で張り切っていたものの現実は期待はずれ。ゴールデンウィーク(GW)で休んでいるうちに、すっかりヤル気を失ってしまうのです。

連休中に疲れが噴き出す

GW明けの5月に発症するので「五月病」と呼ばれますが、そのまま引きこもりに移行する人も少なくありません。当人はもちろん、家族にとっても深刻な問題です。

引きこもりとは「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせず、6ヵ月以上続けて自宅に引きこもっている状態。時々は買い物などで外出する場合も含める」(厚生労働省)とされています。

引きこもりの相談を受けることが多い横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長(精神科医)が語ります。

「五月病は新年度で生活環境が大きく変化する中、新しい生活や環境に適応できないまま、GW中に疲れが一気に噴き出すことで起こります。今年のGWは例年より長い10連休だったため、五月病がきっかけとなって引きこもりを発症する危険性も高く、注意が必要です」(吉田先生)

ではどのように予防すればいいのでしょうか?
4つ以上当てはまるようなら五月病の可能性あり
【五月病チェックリスト】
・通勤電車に乗るのが苦痛に感じられる
・電話に着信があってもすぐにとらない
・起きても身体がだるく感じる
・自分に自信がもてない
・身近な人に八つ当たりする
・歯磨きや整髪、身だしなみを気にしなくなった
・朝、寝床の中でグズグズしている時間が多い
・トイレに必要以上長くいることがある
・他人が自分のことを軽視しているように思える
・自分の能力が会社で活かされていないと感じる

これらの項目に4つ以上当てはまるようなら、五月病の可能性があります。

予防するためのアドバイス

日常生活を送るにはそれなりのエネルギーが必要です。5月病予防に繋がるエネルギーの使い方について、吉田先生はこのように指摘します。

「自転車はペダルを踏んでいれば、まっすぐ進みます。しかし、踏むのを止めてしまったら、フラフラしてやがて倒れてしまいます。次に動き出すためには、自転車を起こしてペダルを踏み込む必要がありますが、考えてみればここが一番力の必要なところになります。

私たちの生活も自転車と同じで、休みだからと言って何もしない、寝てばかり……、これは自転車が倒れているのと同じですね。活動するには力が必要です。休み明けの月曜日に会社を休む人が一番多くなるという調査もあるくらいです。

休みだからといっても、少なくとも規則正しい生活、そしてある程度は身体を動かしていた方が、休み明けにはずっと行動しやすいということです。事実、うつ病を抱えながら就労している人は2日以上の休みを嫌います」(吉田先生)

五月病の対策は?

さらに、休み明けだからといって「無理な計画を立ててバリバリ頑張りすぎないようにしましょう」と注意を促します。

「休み明けだからこそゆっくりならしながら動き出すべきです。いろいろと頭で考えず、行動本位になりましょう。つまり、とりあえず起きて、洗顔し、歯磨きして…など、行動を主体に考える。そうしていると、最初はいやだと思っていたことも忘れていつの間にか体がなじんでいくものです」(吉田先生)