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二十四節気「立夏」 七十二候「蛙始鳴」

2019/05/06 05:56 ウェザーニュース

6日からは二十四節気「立夏」、七十二候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」。暦の上では早くも夏の始まりを告げています。

夏の始まり

2019/05/04 大阪府柏原市
二十四節気「立夏」は、立春・立秋・立冬とともに四立(しりゅう)と呼ばれ、4つの季節の始まりを表す重要な暦とされていました。
しかし、今ではその存在はすっかり薄くなってしまいました。

今の季節とはズレがあることも、注目されなくなった原因かもしれません。
しかし、あるところに注目すると、夏の始まりを肌で感じることができるんです。

今までに比べて昼間の時間が長くなり、降り注ぐ光の量も多くなってきています。
3月、4月は柔らかな春の光、という印象でしたが、この時期の光からは夏の兆しを感じることができます。

紫外線量も上がり、女性にとっては本格的な対策が必要になってくる時期ともいえますね。

多種多様な鳴き声の役割

暦の上では夏となり、生き物たちも活発に行動し始めます。
そんな中、今回の七十二候では、「蛙始鳴」ということで、カエルが鳴き始める頃と伝えています。

繁殖期が近いこともあり、カエルたちは大合唱を始めるわけですが、そもそもカエルはオスしか鳴かないというのをご存知ですか。
(ごく一部の種類においてはメスも鳴くそうですが)

カエルが鳴く理由としては以下のものがあります。

・繁殖期にオスがメスに向けて求愛する
・オスが他のオスに対して縄張りを主張する
・自分がオスだと主張する

求愛や縄張りを主張するのはわかりますが、自分がオスだと主張するとは…?

メスだと思ってしがみついたのに、実はオスだった、なんてことがカエルの世界ではよくあるそうです。
繁殖期のオスは必死ですからね。

それにしても「間違えないで!ぼくはオスだよ!」と他のオスに訴えるための声も持っていたなんて…正直驚きです。

カエルの天気予報!?

昔から「カエルが鳴くと雨」なんて言われていますよね。
ただの言い伝えと思いきや、あながちウソでもないようです。

カエルには、先程紹介した求愛や、縄張り主張のためのものとは別に、雨鳴きというものがあります。

雨鳴きは、主にアマガエルが発することで有名です。
というのも、アマガエルの皮膚というのは非常に薄く、天候の変化に敏感と言われています。
雨の前に高くなる湿度や下がり始める気圧に反応し、鳴くのだそうです。

皮膚が乾くと弱ってしまうカエルにとって、雨はなくてはならない存在。だからこそ、このような能力が備わっているのかもしれません。

カエルにまつわるおまけの話

2016/06/05 長野県松本市

実は縁起物!?

その見た目から万人受けはちょっと難しいカエルですが、意外にも、招き猫などと並ぶくらい縁起の良い物として大切にされています。

帰る、返るなどにひっかけた、ある種ダジャレのようなものですが、お金や運が自分のもとにかえってくる、ということで、店先や玄関にカエルの置物を置いているところも多いようです。

ちなみに、冬眠明けのカエルたちは、産卵のために自分たちが生まれた水辺に帰るという習性があります。

無事に帰れるようにとカエルをモチーフにしたお守りがありますが、実際にそんな習性があると知ると、一層効果が期待できそうですね。

二十四節気と七十二候について

1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。

そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。

二十四節気と七十二候は、その日だけではなく、次の節気あるいは次の候までの期間も指しています。

次回は、立夏の次候「蚯蚓出(みみずいずる)」についてご紹介します。

参考資料など

【参照・参考元】
ベネッセ教育情報サイト「【いきものシリーズ】カエルの種類と鳴き声」https://benesse.jp/kyouiku/201506/20150618-7.html
講談社の動く図鑑WONDER MOVE「カエルは雨が降ると鳴くって本当?」https://zukan-move.kodansha.co.jp/column_list/amphibian/1.html