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平成で震度3の揺れが記録されなかった12の自治体

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2019/04/28 05:15 ウェザーニュース

日本には1728の市町村、それに東京にある23の特別区の計1741の自治体があります。平成年間(1989年1月1日〜2019年3月31日)に発生した地震について、各自治体の最大震度を調べてみました。

震度7級の巨大地震は5回

平成の約30年あまりに巨大地震は5回ありました。平成7(1995)年の阪神・淡路大震災では神戸市(兵庫県)など5つの自治体で震度7を記録しています。平成16(2004)年の新潟中越地震では長岡市で震度7を観測しました。

平成23(2011)年の東日本大震災は甚大な津波被害をもたらしましたが、震度7を観測したのは海岸から約40km離れた内陸の栗原市(宮城県)のみでした。平成28(2016)年の熊本地震では益城町(熊本県)が震度7に見舞われましたが、その2日後に同町と西原村(熊本県)を再び震度7が襲いました。そして平成30(2018)年の北海道胆振(いぶり)東部地震で厚真町(北海道)は震度7を記録しました。

5回の巨大地震の内訳は、海溝型地震が1回(東日本大震災)、断層型地震が4回です。断層型地震は各地で被害をもたらしてきました。内陸が震源の断層型地震の場合、直下で起これば緊急地震速報が間に合わず、激しく揺れるのです。

震度1は2自治体、震度2は10自治体

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平成年間にすべての自治体が震度1以上の地震に見舞われましたが、揺れが小さい地域がありました。31年間の最大震度1だったのが北海道北東部の滝上町と西興部(にしおこっぺ)村のみ。そして最大震度2だったのは10自治体で、岐阜県七宗町(ひちそうちょう)以外は北海道北東部の9自治体が占めました。

「オホーツク海沿岸など北海道北東部は昔から地震が少ない地域です。活断層がないから地震が少ないし、地震があっても揺れが小さいと考えられています。日本で一番地震が少ない地域といってよいでしょう」と言うのは、歴史地震学の第一人者で元東京大学地震研究所准教授の都司嘉宣さんです。

地震が少ない場合は「空白域」といって、そのうち歪(ひず)みが溜まり大きな地震が起こることがありますが、北海道北東部は「空白域」ではないし、活断層がないので歪みが溜まらないと都司さんが付け加えます。

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北海道北東部は断層型地震の心配はないとしても、海溝型地震のおそれはないのでしょうか。

「政府の地震本部は、2017年12月に千島海溝で大津波を伴うM8.8以上の超巨大地震が切迫している可能性が高いと公表しました。この海域では約400年前に巨大地震が発生し、数十mを超える大津波が北海道南東部を襲いましたが、そのような超巨大地震が今後30年以内に発生する確率は7〜40%と推計されています。大津波に襲われれば地震が少ない北海道北東部沿岸も被害を受けるでしょうが、内陸部は被害を免れそうです」(都司さん)

また、北海道以外で最大震度2以下を記録したのは岐阜県七宗町のみでした。ただし、周辺には阿寺断層帯などがあり、油断はできません。また、今後30年以内に50〜60%の確率で起こるとされている東南海・南海地震に対して、地震防災対策推進地域にも指定されています。

「平成」は間もなく「令和」に変わります。時代が変わっても地震や津波は防げませんが、被害を最小限に食い止める「減災」は実行できます。自分が暮らす地域は過去にどんな地震が発生したのか、最大震度の地震に遭遇したら自分の命を守るにはどうするかをシミュレーションしておくことをお勧めします。

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