facebook line twitter mail

爽やかな季節にも熱中症の危険 晴天時の車内温度は約50℃まで上昇

2019/04/20 10:25 ウェザーニュース

春は、お出かけにピッタリなシーズン。車で様々な場所に出かける人も多いのではないでしょうか。
しかし、屋外で過ごしやすい今の時期は、車内での"熱中症”に注意が必要です。

油断ならない熱中症

常に高い気温が続く夏は、段々と暑さに体が慣れてきます。加えて、テレビなどでも熱中症の危険性や対策を頻繁に呼びかけているので、人々の熱中症への意識はかなり高いものになっています。

一方、今の時期は熱中症がそこまで話題にのぼることもなく、人々の関心も薄くなっていますよね。しかし、まだ暑さに体が慣れていないのに急激に気温が上がることがあり、実は危険な時期なんです。

車内における子どもの熱中症に注意

この時期の熱中症として特に気をつけたいのが、車内での熱中症。柔らかな春の日差しから、初夏の日差しへと変わり、照らされた車の窓ガラスはグングン温度が上がります。
上のグラフは、JAFのユーザーテスト(※長時間放置した場合)の結果をもとに作成したものです。
これを見ると、外気温が23℃と比較的過ごしやすい日でも、フロントガラス付近は57.7℃になっています。さらに驚くことに、ダッシュボード付近は70.8℃に達しています。

車という狭い空間に、これだけ高い熱を帯びた場所があれば、当然車内の温度も上がってきます。

閉め切った車内の温度は約50℃にもなり、とても車の中にはいられません。

外はそんなに暑くないし、ちょっと離れるだけだから…と寝てる子どもを置きざりにしてしまうと、たちまち熱中症の危険性が高まります。
車を離れる際は、子どもも一緒に連れて行き、こまめな水分補給を心がけてください。

熱中症のサイン

あくまで目安ではありますが、以下のようなサインが現れたら、熱中症を発症している可能性がありますのでご注意ください。

・脈拍が早くなる
・呼吸が増加する
・顔色が悪くなる
・めまいがする
・皮膚が乾き、赤くなる
・異常に体温が上がる

症状が現れたら?

熱中症は命に関わることもありますので、症状が現れたら以下の応急処置を行ってください。

・涼しい場所へ避難
風通しの良い日陰や冷房の効いている室内に速やかに移動してください。足を頭より高くして休むと、脳に血液が回りやすくなります。

・衣服を緩める
シャツのボタンやネクタイ、ベルトを外し、出来るだけ風通しの良い状態にします。

・水分補給
生理食塩水やスポーツドリンクを補給してください。

・体を冷却
ぬれたタオルを体にあてたり、うちわで扇いだりして、体を冷却してください。
氷のうなどを使って首やわきの下、足の付け根など太い血管のある部分を冷やすのも効果的です。

普段から意識を

この時期は、慣れない環境での生活や新しい仕事によって疲れが出やすく、体調を崩しやすいタイミングでもあります。
そんな時は、車内以外でも熱中症に注意が必要です。

冒頭でも述べましたが、暑さに体が慣れていないにも関わらず、気温が急上昇すると、熱中症の危険は高まります。
仕事での外回りや今の時期に行われる子どもたちの運動会は特に警戒をしてください。

水分をこまめに補給することはもちろん、睡眠をよくとるなど普段からの体調を整えて、熱中症になるリスクを低くすることを意識してください。

参考資料など

【引用元】
JAF「車内温度/春」https://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/temperature/detail1.htm