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投手に有利!? 本拠地球場の気象から菊池雄星投手の活躍をうらなう

2019/04/17 06:57 ウェザーニュース

今季からメジャーリーグでプレーするシアトル・マリナーズの菊池雄星投手が、4月15日(日本時間16日)のクリーブランド・インディアンス戦に先発。本拠地球場ではこれが2度目の登板でした。結果は、3月29日(日本時間30日)の本拠地デビュー戦と同じ6回3失点。試合には敗れましたが、まずまずのピッチングでした。

この本拠地球場には、どのような気象の特徴があり、そしてそれは菊池投手に、今後どのような影響を与える可能性があるのでしょうか。

本拠地球場は投手に有利

マリナーズの本拠地球場「T-モバイル・パーク(昨季までの名称はセーフコ・フィールド)」は、アメリカ西海岸の都市シアトルにあります。

シアトルは北海道よりも高緯度にある都市ですが、冬でもそれほど寒くならず、夏も快適。過ごしやすい気候といえます。「レイニー・シティ」の異名がある雨の多い都市ですが、シーズン中の降水量はそれほど多くありません。

春先はやや肌寒さも残りますが、「メットライフドーム(西武ドーム)」も、春先は寒いことで知られた球場でした。しかも菊池投手は岩手県出身。「気温」に関しては問題ないでしょう。
「気温」以上に菊池投手のプレーに影響を与えそうな気象要因は、「湿気」と「風」です。「T-モバイル・パーク」は開閉式屋根付きの球場で、通常、屋根を開けて試合をおこないます。

寒流の影響で、5月半ばくらいまで空気が冷えて湿気を多くふくんでいるため、打球があまり伸びません。また、球場の上空をレフトからライト方向へ強い風が吹いているので、レフト方向への本塁打が他球場にくらべ、やや少ない傾向にあります。こうした気象の特徴は、菊池投手に有利に働くことでしょう。

実際、「T-モバイル・パーク」は得点の入りにくい、投手に有利な球場として知られています。しかしそれは、裏を返せば味方打線には不利に働くということ。せっかく好投しても、味方の援護がなく、勝ち星がつかないという試合も多くなるかもしれません。

メジャー5試合でまだ勝ち星がない菊池投手。しかしながら、投球内容は決して悪いものではありません。今後、投手に有利な本拠地球場を味方につけ、きっと大活躍してくれるはずです。期待しましょう!