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断層型地震での震度6弱以上の揺れ 平成31年間で観測したのは国土の8.3%

2019/04/14 05:35 ウェザーニュース

いきなり「ズズーン!」とくるのが直下型の断層型地震です。緊急地震速報が間に合わず、揺れも強くなります。それが3年前に起こった熊本地震でした。

この31年で震度6弱以上の断層型地震は国土の8.3%

日本周辺には約2000の活断層があるとされていますが、近くにいくつかの活断層がある場合、まとめて断層帯と呼んでいます。政府の地震調査研究推進本部は、活動度などを考慮して114の断層帯を選定し、調査と評価を行ってきました。

2016年の熊本地震で最大震度7を記録した2回の地震の震源は、日奈久(ひなぐ)断層帯と布田川(ふたがわ)断層帯の一部と考えられています。ともに熊本市付近を北東から南西に走っている断層帯です。

1995年の阪神・淡路大震災を引き起こしたのは、淡路島から神戸市にかけ伸びている六甲・淡路島断層帯の一部でした。これらの断層帯は、過去に発生した地震の痕跡と考えられています。何千年〜何万年ぶりに断層帯がずれ動いて再び大地震が発生したのです。

では、断層型の大地震はどの程度の頻度で起こっているのでしょうか。主な活断層と平成の約31年間に発生した震度6弱以上の断層型地震の地域を図に示しました。
断層型地震で震度6弱以上の揺れを観測した地域は、熊本地震と阪神・淡路大震災以外では、大阪北部地震(2018年)、北海道胆振東部地震(2018年)、岩手宮城内陸地震(2008年)、新潟県中越地震(2004年)などが該当し、そのエリアは国土の8.3%でした。

平成年間に震度6弱以上の断層型地震が起こった地域が国土の8.3%というのは少ないようですが、断層型地震は周期が数千〜数万年と長いために31年という期間での発生頻度が低くなるのです。

数字で見ると90%以上のエリアが震度6弱以上の大地震を経験していないことになりますが、約2,000という膨大な活断層があるとされている日本では、大地震はどこにでも起こる可能性があります。

予想が難しい断層型地震

活断層型地震は、下のイラストのように断層をはさんだ2つの地殻がずれて限界に達したときに地震が発生します。断層がどのようにずれるかは、断層にかかる力の向きによって違い、引く力が働けば「正断層」、押す力なら「逆断層」、水平方向に逆の力が働けば「横ずれ断層」、上下の地層がずれる「衝上断層」と呼ばれます。
断層型地震は、この「ずれ」の速度が1000年に数十cmと非常に遅いため、先にのべたように発生周期が数千〜数万年と非常に長くなり、発生頻度が低く予想も難しいのです。

揺れ方は違っても対策は同じ

断層型地震は、震源が近いと「ズズーン」と下から突き上げるような縦揺れ、揺れている時間が短い、そして「緊急地震速報」が間に合わないことが多いという特徴がありますが、揺れ方は違っても地震対策は同じです。

▼自分が住んでいる家の耐震基準を確認して基準に満たなかったら耐震補強する
▼タンスや食器棚などが倒れないように固定する
▼寝室には大きな家具を置かない
▼水や食料などを備蓄する


いつ起こるかはわかりませんが、大地震は必ず起こります。避難場所を確認するなど、事前の備えをしておきましょう。

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