桜にも実はなるけれど…
公園や川沿いの桜の花が散って、しばらくすると小さな赤い実を見かけることがあります。しかし、いくら待ってもサクランボになりません。
「観賞用の桜にも実がなることがありますが、小さな実で美味しくありません。サクランボがなるのは、同じ桜でもミザクラとか桜桃(おうとう)と呼ばれる品種で、同じ桜の仲間ですけれど別物なのです」と教えてくれるのは山形県園芸農業推進課の担当者。
「観賞用の桜にも実がなることがありますが、小さな実で美味しくありません。サクランボがなるのは、同じ桜でもミザクラとか桜桃(おうとう)と呼ばれる品種で、同じ桜の仲間ですけれど別物なのです」と教えてくれるのは山形県園芸農業推進課の担当者。
山形県がサクランボの産地になったわけ
ミザクラが日本に入ってきたのは明治になってから。各地で栽培を試みますが、霜害や梅雨、台風などで失敗するなか、山形県で成功しました。
「月山や蔵王山という高い山に囲まれた盆地が多いため、梅雨期の降水量が少なく、台風の強い風を免れるからです。国内産サクランボの収穫量は約2万tですが、山形県はその7割を供給する一大生産地になったのです」(山形県園芸農業推進課)
「月山や蔵王山という高い山に囲まれた盆地が多いため、梅雨期の降水量が少なく、台風の強い風を免れるからです。国内産サクランボの収穫量は約2万tですが、山形県はその7割を供給する一大生産地になったのです」(山形県園芸農業推進課)
ミツバチや手作業で受粉
山形県園芸農業推進課の担当者によると、花の開花からサクランボの収穫までは大変な手間がかかっています。4月下旬に花が咲くと、ミツバチに受粉してもらいます。自家不和合といって、同じ品種の花粉では実ができないため、近くに他の品種を受粉樹として植え、その花粉を受粉させるのです。
しかし、低温だったり風が強いとミツバチは飛ばないので人が「毛ばたき」と呼ばれる道具を使い手作業で受粉させます。
実がなったら、摘果(てきか)して残った実を大きく育て、実の色づきをよくするために葉を摘んだり、地面に反射シートを敷いたり、農薬を散布するなど大忙し。こうして6月初旬〜7月初旬にサクランボの収穫を迎えるのです。
実がなったら、摘果(てきか)して残った実を大きく育て、実の色づきをよくするために葉を摘んだり、地面に反射シートを敷いたり、農薬を散布するなど大忙し。こうして6月初旬〜7月初旬にサクランボの収穫を迎えるのです。
「赤い宝石」とも呼ばれ、代表的な高級品種の佐藤錦は1粒200〜300円することも。桜の花を楽しんだら、実のサクランボも目と舌で味わってはいかがですか。