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昔から日本人は春が好き? 時間帯を表す春の季語

2019/04/08 06:43 ウェザーニュース

─春はあけぼの。
 やうやう白くなりゆく山ぎは─

平安時代の随筆「枕草子」の冒頭部分ですが、みなさんも一度は耳にしたことがあると思います。

「春はあけぼの」、これは春の日の出前の頃を表現する言葉です。

1日の時間帯を表す言葉には季語になってるものがあり、そのうち春の季語であるものもいろいろあります。

季語で見る春の一日

「春暁(しゅんぎょう)」は 、夜中が過ぎてまだ暗いうち、夜が明けようとするころを指します。

その後、夜がほのぼのと明けはじめ、次第に物が見分けられるようになると「春曙(しゅんしょ)」となります。

両方とも夜明けころの時間帯を表しますが、時間的にはわずかな違いがあり、区別することができます。


「春昼(しゅんちゅう)」は春の昼のことで、「昼」を季語にしているのは春だけです。

冬の寒さからの解放と心の安らぎを感じさせる春の昼は、焼きつけるような夏の昼とは異なるからでしょうか。


「春夕(しゅんせき)」はなかなか暮れきらない、のんびりとした夕暮れの感じを表した言葉で、「春宵(しゅんしょう)」は夕暮れより少し時間が進み、夜になって間もないころのことです。

そして、おぼろにかすんだ「春の夜」が訪れます。
このように、春は他の季節と比べても細かな時間を表す季語が存在しています。
これは凍えるような冬が過ぎ、訪れた春におもむきを感じる昔の日本人の気持ちの表れなのかもしれませんね。