facebook line twitter mail

“花冷え”による不調を改善する4つのツボ

2019/03/31 05:39 ウェザーニュース

桜の花が咲くころになって一時的に冬が戻ったかのように寒くなることを“花冷え”と呼びますが、古くから“花冷え”は様々な体の不調をもたらし、それが慢性化することもあると言われています。

そこで、源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生に“花冷え”に対処する効果的なツボを教えてもらいました。

“花冷え”が要注意なワケ

西洋医学であれば寒暖差に伴う自律神経の乱れが、“花冷え”で体調を崩しやすい原因と言われることが多いのですが、東洋医学ではどう説明するのでしょうか。

「春になって暖かくなってくると、熱を外に逃がすまいと閉じていた体もそろそろ体温を外に出そうと開放的になり、皮膚が少しずつ開いてきます。同じ水温でも冬より春の方が冷たく感じられるように、寒さ、冷気への防御が弱まり、様々な不調が出てくるのです。

よくある影響としては、風邪、ぎっくり腰、寝違え、花粉症の悪化などです。こうした不調は、慢性化しやすいので気をつけたいものです」(瀬戸先生)

いざ出かけてみたら思っていたよりも寒くなってきた、体調を崩しそう…、そんなときに効くツボがあると言います。

寒さを感じた時

寒さを感じたら、大椎(だいつい)を押すと良いそうです。首を前に倒したとき、首の後ろに出てきた骨のすぐ下にあるツボです。

「大椎は、寒さを感じる時、背筋がゾクッとした悪寒を感じるところです。外の冷気から体を守り、温もりを作り出すところとされているので、ここを温めることによって身体全体を温め、風邪を予防することができます。薄着で外出してしまって寒気を感じるようなら、まずここをカイロ等で温めるといいでしょう」(瀬戸先生)

風邪の初期症状を感じた時

もし風邪の初期症状を感じるようなら大椎の他に尺沢(しゃくたく)を押してあげましょう。

「尺沢は肘を曲げてできるシワの内側、腱のすぐ外側にあるツボで、主に呼吸器系の免疫力を上げる効果を持ちます。寒さや喉の痛みを感じるとき、咳が気になるときなどに押してあげると風邪の予防、対策に役立ちますので、痛気持ちいいくらいに『ぐうっ』と10秒1セットを5回くらい押してみてください」(瀬戸先生)

腰の冷えを感じた時

お花見等で長時間地面に座っていると気づかない間に下半身が冷えて、立ち上がった瞬間、腰に負担がかかりぎっくり腰になるケースがあります。

「座っている時から、膝の外側、ボコッと飛び出た骨のすぐ下にある陽陵泉(ようりょうせん)を押しておくといいでしょう。ここは冷えた筋や筋肉の痛みに効くツボで、ぎっくり腰や寝違えなどの予防にもなりますし、痛みが出てからもその痛みを抑える効果を持ちます」(瀬戸先生)

全身を温め、免疫力を高めたい時

スギ花粉の飛散がピークを過ぎたにも関わらず、花粉症の症状がぶり返した時など、ヘソ下5〜9cm、指を横にして4本分ほど下程度の関元(かんげん)を押してみてください。

「関元は“気”の集まるところで、全身を温め免疫力を高める効果を持ちます」(瀬戸先生)

このようにツボで多少の対処はできますが、やはり一番大切なのはとにかく体を冷やさないことだと先生は念を押します。不要に感じても必ずアウターは持って出かけ、首などを保温すること。もし体が冷えてしまったら、すぐに温かい飲み物やお風呂等で体を温めることが重要です。

» 桜開花予想・見頃情報
» GPS検索 ピンポイント天気予報

参考資料など

取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏