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平成史 流行語に選ばれた気象関連用語

2019/03/17 09:34 ウェザーニュース

「アムラー」や「たまごっち」など、平成30年間で多くの流行語が誕生しました。

毎年12月に開催される「ユーキャン新語・流行語大賞」では、2000年以降、気象に関連する用語が頻繁にノミネートされるようになり、「特別賞」や「トップテン」などに選ばれた用語もありました。どのような用語が選ばれたのか、見ていきましょう。

1990年「気象観測史上(はじめての…)」

冬は記録的な暖冬、夏は記録的な猛暑、さらに9月以降は台風上陸が相次ぐなど、1990年は異常気象の連続でした。

【1990年の主な記録】
・西日本は統計開始以来1位、東日本は2位の猛暑。(当時)

・統計開始以来初め 最低気温30℃以上を観測(糸魚川 30.8℃)

・台風28号 統計開始以来、最も遅い台風の上陸(11月30日)

(受賞者:テレビ各局のお天気キャスター)

2007年「猛暑日」

猛暑日は1日の最高気温が35℃を超える日のことを指しますが、2007年は猛暑日がとても多く、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市では、最高気温40.9℃を記録し、当時の日本歴代最高記録を更新しました。

これを機に、気象庁では猛暑日を新用語として採用しました。

(受賞者:瀧沢寧和=熊谷市直実商店会会長)

2008年「ゲリラ豪雨」

2008年は7月から8月にかけて全国各地で局地的な集中豪雨が頻発し、川の氾濫や家屋への浸水などの被害が多発しました。8月5日には豊島区で局地的な激しい雨により、下水工事中の作業員5名が命を落とす痛ましい事故が起きました。

また、1時間雨量の記録を更新した地点が全国で20箇所を超えました。

(受賞者:石橋博良=ウェザーニューズ創業者)

2012年「爆弾低気圧」

横転したトラック(提供:時事)
急速に発達した温帯低気圧のことで、台風と似たような大雨と暴風をもたらします。台風と違い範囲が時々刻々と変化するため、進路だけではなく、その構造や低気圧の広がり方を予測することが重要になります。2012年4月2日の21時に1006hPaだった低気圧が3日21時に964hPaまで発達し、広い範囲で暴風雨の被害をもたらしました。

(受賞者:株式会社ウェザーニューズ)

2013年「PM2.5」

PM2.5とは、微小粒子状物質のこと。体内に吸い込まれると呼吸器系や循環器系に影響を与え、ぜんそくや肺がんなどのリスクを高めます。2013年に、中国でPM2.5が大量に発生していることが発覚。日本にも到達していたことから、ニュースでも大きく取り上げられ、日本と中国の国家間の問題にまで発展しました。

(受賞者:一般財団法人日本気象協会)

2018年「災害級の暑さ」

2018年は太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが強く、全国的に厳しい暑さに見舞われました。7月23日に熊谷で歴代最高気温の41.1℃を記録したのを筆頭に猛暑日地点は全国でのべ6479地点と過去最高を記録。気象庁はこの暑さが「災害という認識」と会見で述べ、小中学校のエアコン設置の動きが進むなど、大きな社会問題となりました。

(受賞者:気象庁)

2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。
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